第1話 街を歩けば、果てしなくだまされ続ける [コロンボ]
行きのストップオーバーは2日間。インドに行くのは明日の夜だ。だから今日はコロンボ市内を観光する事にした。
ホテルのおねーちゃんは「飛行機がでるのは明日なのになんでチェックアウトするんだ」なんて言って、なかなか解放してくれないが、エアランカが持ってくれるのは1泊だけだし。
しかし、3食つきだったのに、朝飯しか食わなかった。ちょっともったいなかったな。四つ星ホテルの夕食はきっとうまかったに違いない。

ホテルを無事チェックアウトし、駐車場係に言われた通りにバス停までの道をたどっていった。
まず、川を渡るのだが、その橋が普段は中央部は折り畳まれていて、人が通るときだけ反対岸から引っぱり出す。人が通らないときは、水上交通の通路ってわけ。簡単だけど実に合理的だね。
川を渡ったら後は一本道。川沿いをてくてく歩けばよい。
空港にいた政府観光局の人は「バス停は遠い遠い」とやたらしつこく、ホテルから街までのタクシーの手配をさせようとしてたのに、ものの5分もしないうちにバス停についてしまった。
やっぱりねぇ。国民全員がタクシー使ってるわけないもん。公的機関の職員ががうそをつくなよなぁ。
しかもコロンボまでRs.5/人だ。タクシーの1/100。
「遠い」「タクシー料金が安い」「バスは混んでいて乗れない」
そんな言葉に要注意!
バスに揺られること、約1時間。コロンボの街に到着した。
コロンボはスリランカ1の大きな街だけあって、騒々しい。バスや車、オートリキシャーがめまぐるしく行き交っている。また、街の至る所に武装した警官が立っている。北部の抗争はまだ続いているのだろう。
我々はとりあえず今晩の宿である「Lake Lodge」へ向かった。空港で予約することのできる一番安い宿だ。
しかし、我々の持っている地図は、ガイドブックに載っている小さなものだけでとても見にくい上に、レイクロッジはコロンボ湖を挟んだ先にあるので、歩いているうちに混乱してきてしまった。
マーケットの片隅で広げて、あーだこーだ言ってると、その辺の店のおばちゃんがさりげなく寄ってきた。
「この地図をRs.200で買わない?」
突然現地人に話しかけられ狼狽えてしまった我々。買うとか買わないという意志を考える前に、ガイドブックで見たとおりに値段交渉をしてしまった。(買わないと行けない気にさせられている・・・)
「・・・とりあえず、半額くらいを言ってみればいいのかな?えーっと、Rs.100!」
「GOOD PRICE!! でも、もうちょっともらわないと。Rs.150でどう?」
「ええー。Rs.100しか払わないよ。」
「じゃあ、Rs.125でどう?」
何となく、値切ることができたような気がした。こ汚く、どう見ても新品ですらない地図にRs.125を払った。しかし、お約束。後でガイドブックをみたらこうである。
「町の地図は本屋に行けば手に入る。値段はだいたいRs.35程度」
さ、さんじゅうごるぴ~?それも当然新品だよなぁ(笑)

しばらく歩いていると、二人組の男が声をかけてきた。
はじめは「日本から来た」とか「コロンボは暑い」とか、当たり障りのないことをはなしていたんだと思う。そのうちついでだったので地図を広げて「Lake Lodge」の場所を聞いてみた。
ひととおり説明を聞いたところで、彼らがこういうことを言いだした。
「我々はスリランカの盲学校の教師をしているんだ。多くの子供たちが非常に不自由な思いをしている」
そういいながら、その学校の掲載された新聞記事や写真を次々に見せる。そしてこういった。
「このノートにサインをしてくれないか?」
てっきり、政府か何かに訴えるための署名だと思った。
「そんなのおやすいご用」とペンを受け取り、開かれたノートに目を落とすと、そこにはたくさんの外国人の名前、国籍とともに金額が書かれていた。
これはつまり盲学校に寄付をしてくれということか!
ペンを持つ手が止まった。募金をするのが絶対に絶対にイヤなわけではなかった。そのノートに書かれているそれぞれの人の筆跡は異なり、確かにいろいろな人物によって署名されている。中には日本人の署名もあった。
その名前の横には国籍や住所と共に、街角で簡単に寄付したとはとうてい思えない高額な金額が記載されている。Rs.1000、Rs.2000とか、って正気?道ばたであったばかりの人に、ファイルブックを見せられただけで?
さすがに、我々はこの申し出を断った。この二人を本当の教師と信じる確証もなかったし、その金が本当に盲学校にわたるのかがわからないからだ。
もしも、スリランカで自称盲学校の先生に出会ったら、カトゥナーガヤ国際空港で募金するといえばいいと思う。空港には盲学校のための募金箱が置いてある。帰国するときに募金する方が、自分の旅のためにもよいと思う。
「今すぐここで募金をしてくんなきゃ困るんだよ!」なんて言い出したら、間違いなくそいつはニセだもん。
今回は断っても罵声を浴びせられたりしなかったし、しつこくもなかったし本物だったのかなぁ?と思っちゃったんだけどね。
再び歩き始めると、前を歩いていた若者が我々に気がつき、声をかけてきた。
「どこに行くの?」「レイクロッジ」何となく、馬鹿正直に答えてしまった。しまった!と気がついたときにはもう遅い。
男は、親切に道を教えている風に見せかけながら、さりげなくついてくるのだ。明らかに何か企んでいる顔だ。
コロンボはホントに緊迫しているので、あちこちに警官が立っている。だから、外国人女性二人につきまとう怪しい男を見て、警官も追い払ってくれるのだが、彼は目的地を知ってるだけに警官を撒いて再び我々の前に現れる。振り切りたいけど、振り切れないんだよ~。
結局、ゲストハウスまでついてこられ、チップを要求された。
「ここまで案内してやっただろ~」「ジュース買う金くれよ」「貧乏なんだよ~」もちろん拒否した。しかし、男も引き下がらない。
最後にRs.1だけだすと、もうこれ以上出さないとわかったのかギロリとこちらをにらみ、ぶつぶつ言いながら帰っていった。
ゲストハウスのおっちゃんにしっかり怒られましたよ。もう。
ちなみに、大阪で働いていたことのある、自称宝石商にも出会ったが、彼は身なりもよく、大会社に友人と入っていったので、「本物?」とか思った。
「日本人にはホント世話になったから。何かあったら連絡してください」っていきなり名刺をもらったけど、やっぱ、信じちゃだめですよね?(笑)
たったの1日で、何度引っかかるんだあたしは(笑)