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  [概要: 初めての入国で気負いすぎていた若かりしわたし。]

 第3話 どきどきインド入国:前編 [デリー]

 夜中の2時頃、飛行機はデリーに到着した。
 スリランカと違って空港が広いように思う。やはり10億人の住む国だけあるってことか。

 インド旅行に行く前、私は漠然と「インドは怖い」と思っていた。
 夜中に着いたせいもあってか、空港の中を見ているだけでなぜか妙に怪しく感じる。
 けど、次にインドに行くことがあったらきっと全然怖くないと思う。 「怖い」というのは単なる思いこみだったことがよくわかったからだ。

 空港に着いてまずすることは両替である。そこからまず気合いを入れなければならない。
 というのも、インドの銀行員は信用ならないという噂があるから。
 銀行員が両替の時に金額をちょろまかすと言うのだ。

 受け取ったインドルピーを、その場で確認。むむ、・・・合ってる。何度数えなおしても、合っている。
 合ってりゃそれでいいだろうに・・・。自分にだけ何事も起こらないことが腑に落ちないのか、私。

 しかし、ここで油断をしてはいけない。もう一つ気になる噂があるのだ。
 インドでは破れているお金はブロークンマネーと言われ、その様なお札でモノを買おうとしても、受け取ってもらえないと言うことだった。
 って、おいおいおい!ほとんどのお金が破れてたり穴があいてるってば!!

 ・・・今ここで、私に必要なのは気合いである。

【インドのお金ってこんなの】
インドのお金ってこんなの「ブロークンマネーだ。交換して!」

 ここぞとばかりに銀行員に詰め寄るあたし。

「大丈夫だ。ノープロブレム」

ノープロブレム? 何を言う!プロブレムだろう??

「大丈夫じゃないでしょう?大丈夫じゃないって聞いたもん!」
「大丈夫だよ。コレは破れてない。ちょっと穴が開いてるだけだ」
「えー、でも~使えなかったらイヤだよねぇ?」

 すると、しばらくもめていた我々をずっと背後で見ていたビジネスマン風の西洋男がこう言った。

「何いってんだよ、大丈夫だよお嬢さん。ここはインドだぜ!!」

 ・・・みょーに説得力のあるお言葉だった。はいはい、私たちの負けなんですね。
 結局、著しく穴があいているものや、セロテープでくっつけてあるものだけ交換してもらいましたが。それ以外は交換してもらえず。いちいち交換してたら両替不能になるんですかねぇ、やっぱり。

 でも、日本のお金って穴があいていること自体まずないと思いません?


 さて、両替が済んで、いよいよ外の世界に踏み出す時がきた。

 とりあえず宿が決まってないのでどこかの宿に電話をかけたい。この夜中に宿を探してさまようのはちょっと無謀だし。 (今思えば、空港で朝まで時間つぶししてればよかったけど)

 しかし、電話をかけるための小銭がない。銀行で頼んでも両替はしてくれない。(なんでだ!)
 思い切ってその辺にいた現地人っぽいインド人女性に頼んでみたが駄目だった(そもそも電話も全て壊れてたしな)。

「いいや、タクシーに乗って安宿街にいってしまえ!!」

 今思えば、かなり無謀。だって夜中の2時で、初めてのインド。初めての個人旅行!
 そして、とりあえず、二人とも性別は女!

 「どこまで?」と聞くプリペイドタクシーのカウンターのおっさんに、日本で適当に調べた安宿の名前を告げる。
 それは、どうやらバックパッカーの間で有名なパハールガンジの宿だったようだ。

「この夜中に、女二人でそこに行くのは危ないよ。違うところにしたほうがいい」

 そういう親父が薦めるホテルはちょっと高い。せっかくインドで個人旅行ってのに挑戦しようとしているのに、出鼻をくじかれた感じ。
 「高い!」「でもここで予約できる一番安い宿だよ。」とやりとりしているうちに、だんだん妥協心が生まれ、宿の予約とタクシーの手配をお願いすることにした。

 紹介してもらったHOTEL SHELLTON INまでのタクシー料金を払うと、彼はホテルカードとタクシーチケットを出しながらこういった。

「左側の扉をでてスモールブースにのれ」
「は?スモールブース?なにそれ?」

 我々は顔を見合わせた。

「ブースって、何のブース?ブースってのはその扉のこと?それともタクシー代とっといてバスにのれっての?スモールバスっていう小さいバスでもあるの?リキシャーをスモールバスって呼んでんの?バスだったらこの値段は高いじゃないか!!」

バスチケットと荷物チケット インドに着いたばかりで窓口の男と大口論!!それだけインド人がだますとかインドはコワイという思いこみが激しかった証拠だ。
 そもそも、ブースって一体全体なんだよ~!!
 「ブースはブースだ」って、言われたってわからーーん。
 (綴りを書いてと頼んでも書いてくれなかった)

「もういい。そんなに高いというならバスで行け!!勝手にしろ!!」

 よく分からないがおっちゃんも切れた。すぐさまバスのチケットに切り替えて投げてよこす。

「・・・。じゃ、バス乗り場はどこ?」
「来い!」

 バス乗り場に着くと、おっちゃんはバスの運転手になにやら告げるとさっさとオフィスに戻っていった。

 空いている座席に座り、ふと窓の外を見るとタクシーの列が2列あるのに気づいた。
 1列はふつうのインドのタクシー。もう1列は車体が一回り小さいタクシー。
 ・・・スモールブースってもしや・・・スモールバスのインドなまり?!
 そして、スモールブースって・・・小さいタクシーのことぉ??

 「二人だからスモールブースで充分だって言ってるだろ!」ってそういうことか?!

 おっちゃんごめん!!でも、タクシーをバスって呼ばれたって、絶対にわかんないよー。

(後編に続く)

タグ:インド入国|デリー

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