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  [概要: 貞操の危機?男勝りでもあたしは女でした。]

 第7話 感謝「金鳥の夏」!軽率な行動は控えるべし。

 多くの日本人がそうであるように、私は"No Religion"だ。どちらかといえば仏教徒だとは言い切れるが、でも、信仰心があるわけではちっともない。

 今回のインドを旅するに当たって、自分がまがりなりにも女であること。この国が、宗教的、文化的に"性"に対して抑圧されているところだということを忘れて、いや、正直あまり気にもとめていなかった。

 パプーは一応ガイドだし、まあガイドとしてきちんと働いていた。昼間は

 1日目。

 「夜ご飯は何を食べる?」などという問いに普段と同じ感覚で答えていた。

 「酒は好きか?」と聞かれれば、当然のように「好きだ」と、一緒に呑もうと言われたら「いいよ」と答える。だって、食事の場所をいろいろ選んでくれていると思ったから。
 だから、私は夕食はてっきりどっかのお酒が飲めるレストランでとるのだと思った。

 ところが、街に着くとパプーは途中で酒を買いに行った。
「これはインドのラム酒だ。これをコーラで割って飲むと旨いんだ」なんて言ったりするのを普通に聞き流したけど。はっきりいってこの時点では、別に何とも思わなかったから。
(今思うとヤツはムスリムだってば。ムスリムは酒呑んじゃだめなのでは??)


 その後、希望より高いところに連れて行かれた為にホテルのことでパプーともめる。
「ご飯はどうする?」
「いらない。ホテルが言っていたところより高いから食べない!」

 単なる当てつけである。それほど金に困っていたわけではないが、もっとずっと安い宿に連れて行くと言われていたので、納得できなかっただけだ。

「俺がおごるから食べようよ」

 パプーも困り果てているようだし、なんとなくこの言葉で多少軟化してしまい、ルームサービスをとり、一緒にご飯を食べることに・・・。今思えば、ドライバーとお客の立場なのに、お客の部屋で一緒にお酒を飲みながらご飯を食べるという状況を作った自分にびっくりである。(この辺から怪しい)

 しばらくは普通に会話をしながらごはんを食べていた。
「ラム酒はうまいか」とか「インドじゃコークで割って飲むんだ」とか、ありきたりの会話だ。

 そして、ちょっぴりお酒も入り、上機嫌になってきたころ彼は言った。

「一緒に記念写真を撮ってよ」
「別にいいよ」

 ぱぷーの横に並んだところで、がっつり肩に腕を回される。

 ・・・気のせいか・・・胸を掴んでいませんか??

 後で確認したところ、同行のSちゃんもそう思っていたようで。ただ、私と同じで気のせいかと思って何も言わなかった。

 今思えば、まず、それがいけない。

 しばらくしてSちゃんが席を外した時、パプーはなぜか私にこう言った。

「一緒にダンスをしよう」

 はぁぁ???

 インドではそういうことをするものなの?と訳がわからないながらも「わかった」と応じる。
 ソシアルダンスというかフォークダンスの様に両手を繋ぎ踊り出したと思ったら、なんだかやたらと股間を押しつけてくるんすけど・・・(気がつけ!アホな私)

 
 さて、ご飯もお酒も終わり、寝ようということになった。

「もう寝るから」
「いいよ。で、俺はどこに寝るんだ?」

 そんなのこっちの知ったこっちゃない。あんたの宿泊代は会社からでてるでしょ?
 (普通はこういうツアーで客を連れてきた場合、ホテルが持つので運転手の宿代はタダです。)

「どうせなら部屋をシェアしないか?言っていたより高い宿に連れて来ちゃったし、
シェアすれば1人あたり払う額が1/3になるじゃないか。お互いにメリットがあるだろ?」

 この一言。普通で言えば、下心がある男の危ない台詞。
 ただ、ほんとに悪かったと思ってるんだよ、これはお詫びだよ・・・と繰り返されると、さっきまで鬼のように怒っていた我々が悪者の様に思えてきた。

「ちょっと、大人げなかったかなぁ・・・。彼なりに気を使ってくれているのかも」

 とまあ、どこまでお人好しなんだかバカなんだかという解釈が頭の中に巡り、
「うーん、じゃあ、寝るだけなら別にいいけど・・・」
 なんて、とんでもなく軽率な台詞をはいた。おいおいおい。

 そして、その夜。ソファーにでも寝るのだと思ったパプーは、「ベッドに入れろ!」という。いろいろ揉めているうちに根負けし端っこならと入れてあげた。(←馬鹿)

 あったりまえだが、隣に寝ていたSちゃんは、 「I LOVE YOU. INEED YOU.」と誘われたらしいが、不幸中の幸いといいますか、無理強いすることもなかったし、がんがんに焚いていた蚊取り線香の煙に耐えきれず「やっぱ別のところで寝る」と出ていってしまった。

 ああ、金鳥の夏に感謝 m(_ _)m

 バカだよ、若かりし頃のあたしたち!


 ところで、翌朝、Sちゃんがシャワーを浴びている時、パプーが「出かける準備はできた??」と迎えにやってきた(仕事は仕事でそれなりにやる男)。

「まだ準備ができていない」
 そういえば立ち去るかと思いきや、パプーは部屋に入ってきて、また「ダンスをしよう」が始まった。「いや、それどころじゃないし」っていうと、ふと意味ありげな目線で私を見つめ、なにやら訳の分からないことをぼそっと耳元で言っていた。

 今回の旅行は、海外旅行がほぼ初めての段階だったので、外国人と二人で英語で会話すること自体に緊張が走っていた。だからぼそっとつぶやかれた英語をまともに聞き取れることができない。

 とにかくこのままだと友人がセミヌード姿でシャワーからでてくる。ええと、ええと、

「外で待っていてください」

 やっと出てきた単語を言葉にすると、「オーケー」とパプーが出て行った。

 ・・・出て行くときの「約束だよ」と言う台詞が妙に気になる・・・。

 何が?

タグ:インド|貞操の危機|金鳥の夏

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