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  [概要: 女の旅は男性よりリスキーだということを自覚しましょう。]

 第9話 この旅は「レズカップルの旅」ということで。

「今日は席を交換しなよ」

 さて、昨日は車の助手席にSちゃんが乗っていた。今日は私が前、Sちゃんが後になれという。
 別にどうでもいいけど。考えてみると二人後ろに座るのが一番しっくり来るんだけど。ヤダともいいにくかった。

 この日はジャイプールでしこたま買い物した後、アグラに向かった。ジャイプールアグラ間もかなりのロングドライブである。

 私が助手席に座ると困ったことにパプーは、私の手を握ってくる。
 それだけならまだいいが、そのうち私に馴れ馴れしくさわってきたかと思えば、私の手を取り自分の股間に持っていく。さすがにこれにはびびって手をふりほどいたが、こりないというかやめようとしない。
(ここで怒れよ!ああ、若き日の私)

「なんかさあ、手を握って触らせようとするんだけど・・・」

 後部座席にいたSちゃんに言うと、お互い顔を見合わせながら大爆笑になってしまった。

「もしかして、昨日写真撮ったとき胸さわられなかった?」
「ええ?やっぱり?」

 私もSちゃんもやーーーっと気が付いたのである。だって、日本で初めて会ったタクシーのドライバーがこんなことするってないじゃない?あり得なくて気が付かなかったんだよ。
 インドに来てからというもの、浮かれまくりで危機感ゼロ。

「今日はゼッタイに部屋に入れるのをやめよう」

 パプーが強引な人でなくて良かった(単にたまっていた若者だった)。

 そして、何故か知らないが今日はパプーの友達との大カレーパーティ。
 結構うまくて、あれは結構高かったのではないかと思う。

 カレーパーティーと言いつつ、他のドライバーのお客はいないし、こんなに大勢の男の人に囲まれたら太刀打ちできないぁ。場所がまた、ホテルの一室だったりするのである。部屋のドアは常に開け放たれているのが救い。

「やばそうになったら、○まけっ飛ばして逃げよう」

 って、10人くらいいるんだよね~、男が・・・。勝てないって。

 ま、そこは我々の考えすぎだったようで、何事もなく、美味しい料理を頂いて帰った。
 もう、夜中の12時である。長旅の疲れでかなり眠かった。

「もう寝る」
「え?後で一緒に呑もうってゆったじゃないか。友達とも約束しちゃったよ」

 おまえが勝手に決めたんだろう?知らないってば。
 しかも友達と約束って・・・今考えると結構危なかったなぁ。酔わせて手込めに・・・ごにょごにょごにょ(自主規制)。

 そう一言言った後、パプーは我々の部屋に入ってきた。

「出てけ!!」

 突然強い命令口調で言い放たれ、訳の分からない様子で立ちつくしたパプー。
 そりゃそうだよな。さっきまでにこにことパプーの仲間と飯喰っていたんだもの。愛想笑いとか、社交辞令なんて、きっとわかんないんだと思う。

 英語のおぼつかなかった私の分もSちゃんがありったけの文句を言った。ホントにホントにヤツを攻めまくった。でも、ちーっとも納得しない。

「確かに身体を触ったのは悪かった。謝るよ。ごめん。」
「でも、昼間の観光は俺のガイドのおかげで楽しんだじゃないか。お花もあげたし
(これがまたいらないんだよ。)カレーも旨かっただろ?なんでそんなに怒るんだ」

「じゃあ、まあ昼間のガイドは認めてもいいよ。でも、昨日のことは許せない。
 それにホントにもう眠いンだってば。悪いけどでていってくれる?」

 しかし、彼はあくまでも「自分はあれだけのことをしてやったんだから当然感謝されるべきだ」と言う考えを崩さない。
 でも日本人からすると、こういうのはものすごく不快なんだよね。
 こちらもインドに来ている以上、インドの人のものの考え方を勉強すべきだが、あんたも外人相手のサービス業なのだからもうちょっと日本人のこと勉強したら?

 昨夜や今日の昼間のエッチ行為に対して、即座に反応しなかったこっちも悪い。
 でも~、怒られてしかるべきなんだから、ここで逆ギレするなよ。おっさん!

 どうしても帰りそうもないので、1時間だけ呑むのにつきあう事になってしまい、(押しが弱い)クラーク・ゲーブルと四人で酒をちびちび。当然、会話は弾まない。

 そして、1時間後、空気の重さに耐えきれずとっとと退散したクラークゲーブルに対し、パプーはまた粘って「部屋をシェアしよう」と言い始めた。


 蚊取り線香に懲りたのだろう。今晩、ぱぷーはちゃーんと自分の部屋を取っているのを知っている。
昼間、自慢げに見せびらかしていたからだ。

「何いってんの?自分の部屋で寝れば~?」

 つれない我々にパプーはこんなことを言い出した。

「この部屋の代金は俺が出してやる。だからSちゃんはここで1人で寝ろ。
 彼女(私)は俺の部屋に連れて行くけどいいか?」

 は、はぁぁ???なんで?私がパプーの部屋で寝るんだっ。

 もしや・・・朝の「プロミス」は、そういうことだったのか・・・。パプーと一緒に寝ることでも約束しようって言われていたのか?
 言葉が通じてないことくらい察してよ?!プロミス以外は聞き取れなかったっちゅーに!


 勿論、そんなことには応じるわけはなく、ここで私とSちゃんはレズカップルということになり、彼女が「あたしの彼女よ!」って怒ってくれたことで、しぶしぶ引いていった。

「うそだろ?」

とまじめに驚いていた彼の表情はわすれられません。


 私って、ちょっと日本では肩肘這っているというか、扱いにくい人間なのもあるし、とにかく、日本ではこんなことやらかすなんてあり得ない。旅先で知らない人とふれあう・・・見たいな経験今回が初めてだし。(基本的に誰かと一緒に旅していた頃)

 昔流行った、リゾラバってこんな感じ?(ちがうって)


 しかし、パプーが下品な親父で運が良かったと思う。

 ヒゲもじゃで毛深くて、小太りで。人前で豪快なゲップをするし、とにかく、「ゼッタイにいや!」と胸を張っていえるくらいサイテーのヤツだったからこそ、かたくなに拒否できた気がする。
 勿論、常識的な友達と一緒だったのも幸い。

 会って間もない人とは、1歩、いやそれ以上距離を置く。
 ましてや、宗教などの理由で抑圧されている人には、それなりの態度で接すること。
 日本の感覚で接した我々も悪いんだから。
 私はどちらかというと男勝りな方ですが、そんなことは関係ない。今は単なる日本人女でしかない。

 当時のインドの人は、結婚するまで女の人と一緒に歩かないなんて人がまだまだ多かった。
 そして、結婚も家の決めた相手とお見合いでっていう場合がほとんど。
 知識として知ってはいたが、本当にそういう人を目の当たりにしてやっと自覚した。

 そういや、やたらといろんなところで男の人に「酒を飲みましょう」と誘われたんだよね。
 つまり、そういうことか・・・。「飲み会誘われちゃったー」って気分で応じたらだめってことです。


 ちなみに今日の昼間、パプーにコンナコトを言われていた。

「俺がガイドとしてどんなに優秀か、日本人に推薦する文章を書いてくれ。
 ページの上半分に日本語で、下半分に俺にも解るように英語で。」

 日本語と英語。全然中身の違う文章を書いたことは言うまでもない。

 いっぱい書きまくったので、喜んでたけど、ほとんどあんたの悪口だよ。

 あのノートを目にした日本人はいるのかな~。

タグ:インド|ガイド|危険|旅行記|貞操の危機

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