第18話 デリー観光、そして出国 [1997.03.07 デリー]
インドを出国する座席が確保できた。ようやく今晩インドを発つことができる。
今回、初心者ながらもオープンチケットを持っていてよかった。FIXだったか紙くずだった・・・。
「今日は1日デリーの観光をしておいで」
というナジールの言葉に甘え、出勤に合わせて一緒に家を出た。
その辺を流しているオートリキシャで繁華街へ。
リキシャの支払いは全部彼持ち。インド人の彼も料金交渉はしっかりしていたが、我々だけで乗るとものすごいぼられるんだろうなぁ。
今日は、インドに来て以来、初めてのまともな観光となりそうだ。
アグラやジャイプールは、パプーの案内で窮屈だったし、バラナシは外出禁止・・・。ようやく自分たちの好きなように自由に歩ける。
観光マップ、カメラ、お金の観光旅行三種の神器(勝手に決めた)を持っていざ出陣!
ナジールとはコンノートプレースで別れ、地図を広げ行き先を決める。とりあえずここから1番近い観光ポイントのインド門へ・・・歩く。だって~リキシャこわいよ~(笑)
朝早いせいかインド門付近も人がまばらだ。
今は寒気で、さらに冬の寒さのピークも過ぎており、湿気も少ない上に朝の気温はとても穏やかで散歩するのがとても気持ちいい。
広々とした公園に大きな門。そしてここへ続く道の先はプレジデントハウス。大統領の家とこの門を結ぶ通りで毎年パレードが行われるとのこと(パプー談)。
ちなみに、夕方以降はここにはいろんな屋台だ出たり、ゾウやラクダに乗れたりして、市民の憩いの場&観光客のたまり場になる。暑い夏の夜は家族で避暑にくるっぽい。
再び地図をにらんで決めた、次の行き先は、プラーナ・キラ。
プラーナ・キラ内ではインドでは珍しくいちゃいちゃする若いカップルがみられるそうで。宗教、カースト等、様々な理由で結婚していない男女が行動をともにすることが少ないこの国では非常に珍しい。都会の進んだカップルですかねぇ。
ちなみにこの中にあるモスクに、モスクと気付かず土足で入って、ばあさんに叱られました。(杖で靴を脱げ!と叩かれた)。
観光名所というより、人々の生活空間っていう印象が強い。
さらにこの後、フマユーン朝を探してひたすら歩きさまよってしまった。
朝から考えると、10キロは歩きっぱなし。タフな私もさすがに疲れ、かったるくなったので観光はおしまい(つまり二つしか見てないが、観光っぽかったので満足でした)。ナジールとの約束の時間ももうすぐだし。
スリランカで我々の到着を待っているAくんに土産物でも買いにいこっと。

ところで、デリーはインドの首都であるが、その中でも今日うろついたニューデリーは結構な都会。
なんと、ハンバーガーショップなんてものが存在する(当時、田舎町にはまだなかった)。
アイスクリームののぼりにつられてこの店に入ったら、日本人がいっぱいで驚いた。バラナシを出て以来、日本人を全く見てなかったのだ。
バーガーショップで、嬉々としてアイスの種類を選んでいると、2人の日本人の女の子に声をかけられた。彼女らはインドに来たばかりらしい。
「とりあえず政府観光局に行ってみようと思ったんです。
ガイドブックには"政府観光局の人は決して自ら客引きしたりしない"
と書いてあるのに、思いっきり勧誘されるし、その変から突如現れた日本人の男の子が
「大丈夫だ。俺達もここで世話になった」とかやたらと薦めし、
ぐるになって騙されるんじゃないかと思って、怖くなっちゃって」
「そうなんだぁ・・・。私らは別のところに行ったけど大丈夫だったよ。そっちに行ってみる?」
「え?(←明らかに顔色が変わった)じゃ、じゃあ場所だけ教えて貰おうかな・・・」
2人は我々のことも少し警戒したようである。そりゃ、そうだよな。その男の子と同じだもん。
「説明しにくい場所だから連れて行きましょうか?じゃあ今から行きます?」
「は、はぁ」
いぶかしげな顔をする彼女らを従え、コンノートプレースの地下道を抜け道路を横断した。
すると横からインド人の若い男が親しげに話しかけてきた。お土産屋の客引き?
「なんだよ。なんも買わねーよ」
振り返ると、なんとそこにはドゥヌー家三男坊のシャキールが立っていた。
「Hi!! どこ行くの?」
「あなたのお兄さんのオフィス」
「ふーん。じゃあ、僕も一緒に行く」
「え?仕事は?」
「だって、僕の働く店は兄貴の店と同じビルにあるもん」
この時点で、我々は彼女たちにとって、ちょっと”怪しい日本人”から、かなり怪しい日本人になってしまった。
だって、なんでインド人と親しげなんだよ~。私らに関する信用は全くなくなったに違いない。
ほどなくして、オフィスの前に到着。
「とりあえず場所はここだよ」
なぁんて言っている矢先に二階のドアがカチャリ。ボス登場~!
すぐさま我々に気づき、満面の笑みを浮かべ(*^-^*)こう言った。
「ハーイ!今度は何があったんだい?」
だめ押し。ボス、タイミング良すぎ。
これで我々も"インド人とぐるで日本人を騙す"となってしまっい、彼女達は「あ、ありがと・・・」と軽くいうと、そそくさと帰っていっちゃった(笑)
「なに?あの子たちは日本人か?おい、連れ戻してこい!!」
「ああ、無理無理。絶対、もう来ないよ」
そんな具合に、インド最後の日は終わりを迎えた。
今回のインドの旅。いろんなハプニングがあったけど、それが逆に深く心に残って実はちょっと楽しかった。
初めてのインドで、インド男の濃ゆい下心光線を体中で浴びながらもよくも無事で楽しんでこれたものだ。
ナジールの様にビジネス(もしくは騙し)目的の下心、あわよくば日本人妻(恋人)がほしいよ~んというボスやパプーの下心。
こういうストレートな感情表現に慣れていない私にはインド人の国民性もカルチャーショックの一つだった。ボス、間違いなくカルチャーショックは受けて帰るよ。あたしは。
そして、きっと、この旅行記・・・親が見たら怒るだろうなぁ・・・。
何もなかったんすよ、おとーさん。(-_-;)ゞ