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  [概要: 海外での伝言ゲーム。]

 第19話 Mr.A 行方不明につき [コロンボ]

 スリランカは相変わらず蒸し暑かった。北インドのカラっとした天気からうって変わってこの陽気。
 今はまだ朝早いからどうって事ないが、昼間のことを考えるとうんざりしてくる。

 空港に降り立つと相変わらず政府観光局の職員がつきまとうが、こちらも一応入国は2回目。もうバスがちゃんと走っていることも知っている。
 Aくんとは国際電話で「Lake Lodge」って約束したし、さっさと無視して歩いた。
 今思えばこれが、これからのトラブルのモトだった。

うま

 コロンボのバスターミナルからひたすら歩いてレイクロッジにたどり着いた。Lake Lodgeのおじさんは我々のことを憶えていてくれたようだ。

「私たちの友達がここに泊まっていると思うんだけど…。」

 そう告げると、おじさんは「ああっ」と言う顔をして我々に一枚の紙を差し出した。それには次のように書いてあった。

"コロンボの観光をしてみたくなったのでちょっと出かけてきます。ここには三時頃戻る予定です。Mr. A."


 実は我々は、今日中にスリランカの島の中心であるキャンディに向かおうと勝手に計画していた。
 日本では日立製作所のCMでおなじみの、あのでかい木がスリランカのキャンディという町にある。
それを見に行こうなどという、まことにくだらない理由から思い立ったスリランカ旅行だったりもするし(※ 実際の撮影に使われたのはハワイの木です)
 でもこの状況じゃ無理だ。今晩はここに宿泊して明日キャンディに向かうことにする。


 この前と同じ部屋に通されしばしくつろいでいると、宿の従業員が電話を持ってやってきた(部屋には電話がない)。私らに電話?Aくんかな。

 でも、電話に出たSちゃん何故か英語で話している。

「誰だかも、なんなのかもよく分からないけど、これからここに来るって言ってる」

 え?一体何者!?

 しばらくして2人の男がやってきた。その男は、Aくんから伝言を預かってきたと一枚のメモを差し出した。


"やっぱりシーギリヤとかも見たくなってきたのでそっちの方に行って来ます。
今晩はキャンディのマクロイドインと言うホテルに泊まります。
Sちゃん達の部屋についても○×さん(手紙を持ってきた人)に頼んであります。
とりあえずSちゃんは自分の彼女と言うことにしてあるのでその辺はよろしく。 Mr.A"

 なんと彼は今、スリランカの遺跡見学をしているらしい。そして今日はキャンディに泊まる・・・??
 おっちゃん達は、空港でインドから到着する我々を待っていたらしい。

Ms. S. & Ms. F.

と書いたボードを持って。

 確かに空港にはこの手の人たちは沢山いたけど、でもそんなん見てないよ~。
 こっちは「早くレイクロッジにいかなきゃー」って必死だったんだもの。


「で、君たちはどうするんだ?」

 全く予想もしていなかった展開に気が動転していた。

「じゃあ、これからすぐにチェックアウトしてキャンディに向かうよ」
「解った。じゃあ、彼にはそう伝えておく。電車?それともバスで来るのか?」
「うーん。電車かな」

 男たちは頷いて部屋を出ていった。


 大急ぎで荷物をまとめていると、心配した宿の人が部屋へやってきた。

「今チェックインしたばかりなのにチェックアウトするなんてどういうことだ?」

 気が利くのか何なのか、さっきの男はフロントに伝言して帰ったらしい。

「今、友達はキャンディにいるらしいの。だから追いかけて行こうかと思って」
「でも、とりあえず今日はここに泊まりなよ。今から行ったって着くのは夜だし、宿代ソンするよ。
 明日の朝一番の電車で行けばいいじゃないか」

 確かにおっちゃんの言うことは一理ある。どうせ今日向かっても、行って寝るだけだ。

「じゃあ、そうする」

 このとき既に、「Aくんに伝えておくから」と言って立ち去った男のことは全く頭になかった。

タグ:コロンボ|スリランカ|政府観光局

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