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  [概要: 意外と正確に伝わっていた伝言。]

 第20話 この~木何の木気になる木 [キャンディ]

 朝一に宿の従業員をたたき起こしてチェックアウトし、キャンディへ向かった。

 スリランカは小さな島国なこともあるからか、列車はあまり発達していない。バスの方が本数が多くて断然便利。だけど、あまり混んでいない路線なら歩き回れる分だけ列車の方が楽なこともあるが、ベンチみたいな固い座席なことと、車両がうるさいので長時間はキツイかな~。
 
 街や宿の調度品などを見ている限りでは、生活水準はインドよりかなり上に見えるのに列車はインドの方が上である。インドは広大な上に貧富の差が大きいから列車もクラス分けが細かいし、我々外国人はアッパークラスに乗らせて頂いているのだから当たり前のことなのだが。

 町のスリランカ人はインド人を馬鹿にするような発言や顔をしていたが(「インドを旅行してきた」というと、「はんっ」って鼻で笑った様な仕草をする人がいた)、列車は断然インドが上だな。

 そして、列車が五月蠅いのは、ただ走行している音だけではなかった。
 ナッツ、果物、スナックをかごに入れて売りにくるおばさん、へたくそな素人音楽家、壁をドラムに、イスの縁を木琴代わりに使いリズムを取りながら歌いまくる若者!朝もはよからみな元気。
 さすがに朝5時発の列車に乗っている寝起きな私は、うるさーーーーーい!!と心の中で叫んでいた。

 もうっ。

 キャンディ駅に到着したのは、午前9時過ぎである。
 「Lake Logde」で紹介してもらった宿「IBY BANK」(銀行ではない)に連絡をとり迎えに来てもらい、車の中で運転手にマクロイドインのことを尋ねた。
 キャンディの宿は湖を中心にあちこちに散らばっているのだが、この二つの宿はたまたま近くだったのであっさりと見つかった。
 荷物を置くとすぐにとにかくそっこーでマクロイドインに向かった。

 マクロイドインに着くと、まずは運転手が様子を見に行き(英語がヘタなので気を遣われた節がある(笑))、我々は言われるがまま車内で待機していた。

 5分ほどが経過し、宿の入り口から1人の男が手招きしている。一体、こいつ誰?

 男に連れられて、宿のテラスにでると、テラスのベンチにだるそうに腰掛けている男がいた。

あ あ あ あ あ あ あ あ あ !!!!

 Aくんはのんきに本なんか読んでいる。
 その様子から、すっかり我々と待ち合わせはあきらめているように見えた。
 そもそも海外なんだし、待ち合わせる方法が間違っていたんだよ、うちら。ここは日本じゃ、渋谷じゃないんだから・・・。


 昨日、ゲストハウスに我々を訪ねた男は、きちんと彼に伝言をしたらしい。

「君の彼女は夕方の電車でキャンディにくるよ。たぶん6時半ゴロに着く列車のはずだ」

 Aくんは当然、6時半前に駅に迎えに行く。列車は着いても我々は降りてこない。
 次の列車にもその次の列車にも乗ってこない。

「もしかして、バスにしたのでは?」

 バスターミナルに行ってもやはりこない。
 こうやって、駅とバスターミナルを延々何度も往復していたらしい。

 スリランカの列車は本数も少ない。バスだって日本のように夜中まで走っていない。終電、終バスまで待ったけれども、我々は乗っていなかった。

「昨日、彼は大変だったんだ。いくら待っても君たちがこないものだから、ひどく心配しちゃって食欲がなくなっちゃったんだよ。晩御飯も食べずにビールばかり飲んでいたんだよ」

 こういうのはAくんが雇ったドライバー兼ガイドくん。

 ここまではいいのだが、彼らの私に対する態度が「恋人同士を邪魔するおじゃまむし」なのがどうもしっくりこない。

 昨日、コロンボの宿に伝言を伝えに来た男なんて、

「AくんはSちゃんと寝るためにダブルルームを予約しているんだ。
 君のためにシングルルームを頼んでやるからそこに寝ろ!」

とまで言う。なんだそりゃ!

※ ちなみにきっぱりと言い切りますが、二人はつきあってません!・・・この時点では。

この木何の木 我々は3人そろって彼の運転手(兼ガイド)の車でペラデニヤ植物園へ行った。
 思えば、この旅行はガイドブックをめくって、「この木何の木気になる木見たいよねぇ~」という安易な乗りから始まったのだ。この木何の木は、この植物園にある。
 (木の正式な名前はジャワビンローだが、ずっとこの木何の木と言っていた)

 しかし、3人が3人とも初めて足を踏み入れた海外自由旅行の楽しさに夢中になっており、自分らの旅を話したくてしょうがない。とりあえず、木は見たし、写真も撮ったけど、公園もろくに回らず、食事もせずにずーーっとずーーっとおしゃべりをしまくっていた。

気になる木 成田からコロンボまで、日本からのフライトが9時間。2日間も待ちぼうけをくらい、一緒に遊んだのはたったの4時間。

 Aくんは、「列車に乗りたいから車はここまででいい」とガイドを断り、あのガタゴトやかましい列車に乗って、コロンボへと戻っていった。
 コロンボの便は深夜便なので、このまま日本へ帰る。2泊4日という強行な日程の旅。

 会えた時間は少なかったのだが、とりあえずはめでたしめでたし?

タグ:この木何の木|キャンディ|スリランカ

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