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インド(酷暑の南編) > 第1話 マドラスとチェンナイ(チェンナイ) [概要: 南インドの玄関口チェンナイ潜入。] 第1話 マドラスとチェンナイ(チェンナイ)早朝、マドラスの空港に降り立った。今回は乗り継ぎ乗り継ぎで超疲れた。飛行機って言うものはこんなにつらい乗り物だったのか。 成田でたくさん乗り込んだ日本人観光客もバンコクで半分くらい降り、デリーでさらに降りてしまい、マドラスまできたのは我々以外に一人いるかいないかっていうところだ。その一人って言うのもインド人と一緒にいるので、観光客じゃないのかもしれない。 やっぱ、タージマハールとか見に行くんだろな。みんな。 今回は弟をそそのかして連れてきた。 「インドいこーよ!」 ただ、それだけで連れてきてしまい、ほとんどだまし討ち。 「え?北インドじゃないの?ふつー、最初はタージマハール見るでしょう?」 「見ないよ。だって、今回はハイダラバード行くんだもん。だいたいチケットがマドラスだからどう考えてもタージマハールは無理!」 「そんなのってありぃ??」 そんなこんなで連れてきて、しかも、気流が悪く飛行機は大揺れ、トランジット地では待ち時間も機内に押し込められさんざんだった(エアインディアは乗り継ぎ地でも機外に出してもらえない)。 行きの機内ですでに彼は何度も繰り返していた。 「もう、インドなんて二度とこない」 おーい、そのせりふはまだ待ってくれいっ。 空港からはタクシーでも拾って市内に向かおうと思った。 しかし、以前降り立ったデリーの空港とは違い、おびただしい数の客引きがぎらぎら待ちかまえている状態ではなく、誰にも声をかけられることなくあっさりターミナルをでてしまった。 入り口前にいる人々は皆、誰かの出迎えらしい。つまり、客引きがいない。 あれ???ここインドなのかなぁ? せっかくタクシーなんて贅沢しようと思ったのに、ぼられないように気合いを入れていたのに。 誰からもお声がかからなかったので、結局、ガードマンに駅の場所を聞いて電車で市内に向かってしまった。 あっさりしすぎで拍子抜け~。 この電車もまた一応切符買ったけど、改札もなけりゃ検察もないのでほとんどみんなただ乗りなんじゃないか?? (それより、こんな早朝から結構人が乗っていることが驚き)。 我々は終点のエグモア駅で下車した。 この辺は華やかな雰囲気はなくマドラスの中心下町って感じです。終点駅だということもあり、駅の近所に安宿から中級クラスのホテルが建ち並ぶ。☆が5つあるような高級ホテルはこういうごみごみしたところにはなく、整然とした新市街や静かなところに居を構えている。 長距離列車の発着駅は、ここから数キロ離れた場所にあるマドラス中央駅ですが、中央駅の周りの宿はあんましキレーじゃないそうなので、エグモア周辺にねぐらを確保するのがおすすめ。 歩くのが好きな人なら歩くのも苦にならない距離だけど、5月のインドは暑いのでリキシャが良いかも。 ところで、インドではイギリス統治時代の列車や後にインド政府が作った列車など数種類の列車がぐちゃぐちゃと混ざって走っている。 この辺も列車が入り交じっていて、結構これが地理に疎い旅行者にとっては不便である。 なにが不便って、作った人それぞれが勝手にやったのでレールの幅が違って相互乗り入れができないこと。 日本の場合に例えると、京王線が新宿から都営新宿線に乗り入れていたりするじゃあないですか。そういうことができないのです。
さてさて、今日は初日と言うこともあり、長い空の旅で疲れ切っていたのもあり、宿探しを放棄してしまった。 めんどくさいのでエグモア駅北側の大通り沿いにあるYWCAへ向かうことにした。 エグモア駅はどちらかというと南側の方が栄えており、切符売り場も南側にある。 まずは南側に降り立ち、駅前の屋台でインドに来た証にチャイで一服。そしてその後歩道橋を渡ってYWCAのある北側にでた。 大通りを目指して歩着始めると、いきなりたっくさんの人が路上で寝ていたので驚いた。 彼らは別に路上で生活しているわけではなく、歩道の目の前にある小さな家の住人(ただ勝手に家を造っていると思われるので、路上生活に近い)。 家の中が暑いのでしょう。なんと、自分の家の目の前の路上で爆睡していた。 実は今の時期、5月はインドは一年で最も暑い時期、いわゆる酷暑期なのだ。 飛行機が経由地のデリーの空港に降り立つときのアナウンスが思い出される。 「まもなく、デリー国際空港に到着いたします。現地時間は午後9時××分、気温3▲度・・・」 昼間ではない、夜の夜中なのに30度を越しているというのである。 機内がざわめいたのは言うまでもない。 インド北部はこの時期本当に暑く、昼間の気温は40度を超える日がざらだが、空気は乾燥していると聞いている。 しかし、インド南部は気温は北部ほどは高くならないものの湿気が多い。 日本の夏の熱帯夜を思い出してほしい。むしむしむしむし、不快なあれ。「扇風機だけじゃ寝付けない~」っていうあの夜! そして、それよりもさらに気温が高いとすると? 家の中で寝てられないっていう気持ちは大いに理解できるよ。狭い家に家族がたくさん住んでいる上に、冷房なんてないんだもの。寝苦しくて、外にでたくなるわなぁ。 昼間、同じ通りを歩いて見ると、早朝のように寝ている人などなく、子供たちはボール遊びをしていた。 大人たちも何事もなかったように、店なんか出しちゃっているのを見ているのは不思議な光景だった。
ところで、私は新しい街につくとまず歩けるだけ自分の足で歩いてみることにしている。 中心部からの地理を頭に入れておくことで、バスやタクシーなどの公共交通もぐんと使いやすくなるし、ただ車で観光地だけを行き来していると、人間とか、庶民文化とか、面白いことになかなか気づかない。 この日は歩き始めるに当たって地図を手に入れようと観光局のある新市街へ向かった。 ところが、この日は日曜日で観光局は閉まっていた。 「あー、閉まってる~」 このくそ暑い中わざわざ徒歩でやってきたがために、がっくり度もひとしお。 すると、観光局の前で一人の男が近づいてきた。 「日本人?どうかした?」 「地図をもらいたかったんだけど、休みだったよ。」 「地図だったら、こっちで手にはいるよ。来な!」 男は、交差点の角を曲がったところにある「電話屋さん」の扉をあけ、 「ほら、ここに売ってるよ」 と、中から地図を取り出した。どうやらこの電話屋さんはちょっとした売店も兼ねているようだ。 手にした地図にはでかでかと「CHUNNAI」と書いてある。 「チュンナイってどこ?マドラスの地図がほしいんだけど」 「マドラスはチュンナイだよ」 「え?昔の名前?この地図古いんじゃないの?」 「いやいや、ニューネームだ!」 はぁ?なんだそれ?? そういえば、空港のトランジットの時も「チュンナイ、チュンナイ」と係員が叫んでいた。 トランジットカウンターにマドラスの表示がなく、うろうろしていたらチュンナイというカウンターでチケットを引き替えてくれた。 名前が新しくなったなんて知らないものだから、日本からマドラスに3回もトランジットしながら行く様な奇特な人はいないから、カウンターを設けなかったんだとばかり思ってた。 後で調べた話では、インドは徐々に街の名前をイギリス統治前の名前に戻しているらしく、マドラスがチェンナイに戻ったのもつい最近のことだった。どうりでガイドブックにも載ってないわけだ。 「もう植民地時代の俺たちじゃねぇ。インドはインドで歩いているんだ~!」 っていう気合いを感じてほぉ~っと感心してしまった。 人口は8億だし、コンピュータソフトは世界一だし、何てったって語学の天才だし(勿論、全員じゃないけど)、核保有国だし、数十年後は日本なんて太刀打ちできないかもしれないなぁ。 日本の電化製品は世界中で絶賛されてるけど、少子化だし、理系離れだし、以前日本が高度成長して行ったように、追いつき、追い越されてしまうのかなぁ? 勿論、物事はそんなに単純ではありませんし、それ以上に宗教や民族抗争など複雑な問題が絡み合っている国だけど。でも、やるぞ~っていう気合いとかプライドって強い力も発揮するかもって思ったりして。 そうか、チェンナイになったんだ~。(ほんとに意味もなく感心してしまったんです) オチがないですけど、要は歩いて町を回って気づいたことだったってだけですわ(笑)
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