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  [概要: やっぱりインドは何が起こるかわからない。予想外だ。]

 第4話 楽し~。やっぱりインドはこうでなくちゃ!(ハイダラバード)

 チェンナイ発の寝台列車がハイダラバードに到着したのは早朝7時。7時にどこかへゆくこともできず、とにかく宿を探し始めた。

 普段だったら安宿を目指すところだが、何となく弟をインドに無理矢理つれてきてしまった様な罪悪感が抜けず、いわゆるインドの中級クラスのホテルを目指した。「なんなんだこの宿は!」と言われて傷つきたくないナイーブな私(よく言う)

 新市街の大通り沿いにある「PARK HOTEL」「non-airconツイン一泊Rs.300(約\900)」にチェックイン。インド内陸部のカルナータカ地方でも24時間制の宿だった。南インドっていう定義はここいらまで来るってことかな。

 この宿は駅から徒歩5分未満のバス停の集合地帯にあり(ターミナルではない)、列車に乗る人もバスに乗る人にも便利な立地にあった。
 我々の部屋は町が見渡せる4階(インドの表示だとイギリス式なので3階)のバルコニー付きのノンエアコンルーム。
 この日は列車の旅疲れもありほとんど宿でだらだら過ごしていた。

 天上からつり下げられたファンが頭の上でぶおんぶおんと音を立てながら回っているのを聞きながら、昼近くまで寝ただろうか。

「ねえちゃん見てみて!すごいよぉ」

 弟の言葉に目を覚ますと、寝ぼけ眼でバルコニーに出た。

 出てみてびっくり。バルコニーの真下に止まっていた一台のバスにものすごい数の人々が群がり、押し合いへし合い、まるでバスと格闘しているかの様だ。こんな状況日本で見たことない。

 インドのバスはとても混でいるとか、窓から空いた座席に荷物を投げ入れて横はいりするヤツがいるとか、それどころかバスの側面をよじ登って窓から乗り込む人もいると言うが、そんなバス見たことないし。
 そして、痴漢が多くてスリが多くて大変だというが、なるほどこれなら納得しちゃう。
 
 
 入り口から無理矢理入り込む人はともかくとして、入り口の枠にぶら下がって何としてでも乗り込もうとがんばるのは有り、やっぱり窓から入り込む器用なやつもいて(しかも動いてるのに)、「そんなことしても大丈夫なんだろうか?」と見ているこちらがハラハラ、そしてそれ以上に笑ってしまった(人ごとですいません)。

 そして、そんな状況に運転手も負けてはいない。
 このまま行けばきっと屋根にも乗りかねないなと思ってるからか、きりがないからか、窓枠にぶら下がってる危ない人まで いるのに運ちゃんはかまわず走り出す。

 乗客もそんなことでは諦めない。
握力の限界が来て窓枠から振り落とされても、気合いで猛ダァッシュ!!

 何十人という人々がバスに突進し、またもや窓枠にぶら下がるんである。
朝のラッシュ。通勤ラッシュ??

 こうなると運ちゃんもバスを止めざるを得ず、そうすると正当に入り口から乗り込もうとする連中もまたでてきて。。。これを何度となく繰り返す。運ちゃんが勝つか、乗りたい執念が勝つか。

 写真はこれら一連の行為が2回ほど行われた後の光景である。
 最初にバスが止まったところから同じことを繰り返しながら20メートルほど進んだとこ。

 「次のバスじゃだめなのかなぁ?」とか、「バス会社もバスの本数を増やせないのかなぁ」とか、部外者ながら考えてみる。まあ、州営のバスだろうし、こんなもんかもねぇ。


 バスぎゅうぎゅう事件をひとしきり見学した後、しばし部屋でだらだらしていると、またもやバルコニーに出ていた弟よりお声がかかる。

「なんかさぁ。あの車トラブってるみたいだよ」

 見下ろすと、ホテル敷地前に一台の赤い車が止まっていた。
 そして、そのくるまのそばに挙動不審な男が二人。盗みにしては人通りが多く、あからさま過ぎる。
 中をのぞき込んだり、ドアノブを引っ張ったり、運転席、助手席、後部座席そしてハッチバック。すべてのドアを確かめ、はーっとため息。

・・・鍵閉じこんだなぁ?(笑)

 「インドにJAFあんのかな?」

 ご当人は大変だろうがわくわくしながら一部始終を見守らせてもらう。このタイプの車なら私の知り合いのちょっとやんちゃな兄ちゃんでも簡単に開けちゃうくらいのレベルだ。どうするのかな~。

 まず、ホテルの守衛を呼んで相談したようだ。我々の部屋のバルコニーの真下でとじ込んだというからには、このホテルの宿泊客かレストランの客のどちらかである。
 守衛も鍵を開けるのが専門ではないので、やることといえばとりあえず、運転席、助手席、後部座席・・・と全部のドアを引っ張ることぐらい。
 いやいやいや力任せに引っ張って開くくらいならとっくに開いてるし。

 力任せでは無駄だと思ったのか、今度はホテルに入り、なにやら細い棒のような定規のようなものを持って出てくると、窓枠の上部(屋根側)のゴムの隙間からつっこもうと試みる。
 着眼点はなかなか悪くないように思えるけどさ。それをやるんなら窓ガラスとドアの隙間に棒をつっこんで上手く鍵を引っかけなきゃ。(大きなことを言ってるが、自分もこれで失敗した経験有り)

 最後に彼らが取った手段を見たときは、ごめんなさい。思わず大爆笑してしまった。

 実は、ホテルからバールを持ち出して、後部座席後ろの灯り取り(?)の窓ガラスを枠からはずしちまったのだ!

 ・・・すごい発想だ。さすがにそれは思いつかなかったよ。

 写真ははずした窓を一生懸命に元の状態にはめ込もうとしているところ。
 元の状態とまでは行かないまでもなんとかガラスをはめこんだ彼らは、さっそうと街に消えてゆきました。

 正直、きちんとはまっているように見えなかったし、絶対に走っている間に窓が落ちてぱりん!と割れたことを確信してます(笑)

 ところで、昼間は楽しませて貰ったホテルですが、この日の晩はこのホテルに宿泊したことを心の底から後悔した。
 別にこのホテルに限った問題ではなく、インド全体でこうなのかもしれませんが。

 中途半端なレベルの宿は、ノンエアコンルームは暑くて死ぬ・・・ということです。
 昼間灼熱の太陽に照らされたコンクリートの固まりは夜中になってもその温度が下がらず。部屋を見事に保温してくれます。

 バルコニーに出れば涼しくて快適なのに、部屋は地獄。天上のファンは暖かい空気をかき回すだけでちっとも役に立たず。シャワーの水を浴び、タオルで拭かずにベッドに戻り、また暑くなってシャワーを浴び・・・ということを繰り返しました。

 特にこの季節にインドを旅する方は、中途半端にお金をケチらずエアコンルームに泊まることをオススメします。これ、マジですよ。  

- 南インド旅行記:酷暑もなんのそのっ 目次 -
プロローグ
第1話 マドラスとチェンナイ
第2話 いざ岩石の街へ
第3話 寝台列車の旅である
第4話 楽し~。やっぱりインドはこうでなくちゃ!
第5話 強者どもが夢の跡
  → 【写真】GOLCONDA FORT
第6話 すっかり怪しい外人と化す その1
第7話 すっかり怪しい外人と化す その2

第8話 むかっぱらたつりきしゃーまん。
第9話 デカン高原の避暑地マイソール
  → 【写真】豪華絢爛!マハラジャパレス
第10話 列車でトラブル その1
第11話 列車でトラブル その2
第12話 そして、りぞっちゃに失敗する
  → 【写真】マハーバリプラム
エピローグ

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