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インド(スピティ編) > 第1話 けだるい彼との出会い (東京-デリー) [概要:のっけからばりばり日本語トークで、楽しい旅行の予感♪] 第1話 けだるい彼との出会い (東京-デリー)エアインディアに乗るのも1年ぶり。スッチーがサリーなのも、離陸前にまずパックの飲み物を配るのも、乗務員が全体的にハイエイジなのも同じ。どたどたと通路をかけずり回って、落ち着きに欠ける彼女たち。 でもいいのよ。ワタシはこういうのも好きなんだから。のっけからインド気分なのよね。 この飛行機はバンコクを経由するため、バンコクへ行くために乗っている日本人が多い。 そんな人たちの身なりはどうも、デリー組よりも綺麗な気がする。 中には携帯電話を持って行くお姉さんがいたりして・・・。タイもGSMだったと思うけど? 旅行の時は1グラムでも荷物を減らすことしか念頭にない私には、どうも理解できない。 後日、とある人に聞いたら「旅行中は目覚まし代わりにもなる」と言っていた。 充電はどうしているのだろう?まさか、充電器まで持参?それはちょっとばかばかしくない?(それは部屋にコンセントの差込のあるホテルに泊まらないからだよ)
全てがこんな調子なので、どんなに早く準備を始めても終わるのはいつも真夜中。 お陰様で忘れ物だけはない。 「エクスキューズミー!!」 ドタドタドタ・・・。相変わらずばたばたしているエアインディアのスタッフ。 ああ、眠いのに寝かせてくれない~。どうやらタイの入国カードを配っているようだ。 「バンコク?タイランド?」との問いに首を振るだけ振ると、眠るのを諦めてガイドブックを開いた。 半分以下の重さに減らした満足感でいっぱいなため、ついつい手にとってしまうバカなワタシ。 「インドまで行かれるんですか?」 突然、隣の青年が流暢な日本語で話しかけてきた。 私は初めての人と話すのが苦手。加えて隣は外人だぁと乗ったときから緊張していた。 それがいきなりの日本語にぶったまげた。この飛行機スッチーも日本語しゃべらないのになぁ。 その青年は、日本の某企業に勤めるインド人のサラリーマン。3週間の休みを取ってムンバイの実家に帰省するところだそう。名をケダール君という。 「日本語だと気怠いって感じの意味になっちゃうから、やなんだよねぇ」 などというあたり、かなり日本語を習得している。←そりゃあ当たり前だろ。働いてるんだから 最初のとっかかりがスムーズに行くと心の壁のようなモノが取れ、途端に仲良くなってしまった。 普段、私のまわりにはインド人はいない。日本で見るインド人というと、インド料理屋とか旅行代理店などで働いているひとだったのだが、彼はコンピュータープログラマーだそうで、「あ、やっぱり。インド人だわ」と単純に納得してしまった。 今、コンピュータソフトウェアの分野では、インドが急成長している。 テレビや雑誌でよく見聞きしていたことだが、それに関わる人に初めて出会った。 「日本に来て最初ダメだったのは、会社の独身寮の大浴場。 昼間隣のデスクで働いている人の前で裸になるというのに抵抗があった。 今は大丈夫。温泉も好き。」 「テレビは何でも見るけど、特にバラエティがすき。志村ケンがわかりやすくて面白い。 それと、アメリカンジョークはダメだね。わざとらしくてついていけないよ。日本のギャグがいいね」 「食べ物は何でも好き。肉はインドではあまり食べないけど、日本では食べる」 (しかもヒンズー教徒のくせにマックも行くらしい。おいおい(^^;;) 博多ラーメンが妙に気に入っていて、替え玉という制度にいたく感動していた(笑) なんか、すごく楽しい。これは、ただ言葉が通じるから楽しいのではない。日本にちゃんと興味を持って、日本を普通に知っている外国人としゃべっているからだ。 逆に、彼の方も同じ事を思っていたのではないだろうか。(←勝手な憶測) インド通いをしている日本人はたくさんいるけど、日本で普通に生活していてもそうそうお目にかかれないだろうから。 私もここぞとばかりにインドに関することを質問責め。彼も嬉しそうに答えてくれる。 私の知っているガネーシャの誕生秘話は正しいか?簡単なヒンディー語のやりとり方法(要するに文句の言い方)。おすすめのインドの食べ物。映画の楽しみ方。 クリケットのルール。 そんな事を話しているウチにあっという間にバンコクに着いてしまった。 バンコクで乗客の半分以上が降りていった。 インドまで行く者は外へ出るどころか機内を歩き回ることさえ許されず、ひたすら機内清掃が終わるのを待っていた。 すると、私の目の前の席のインド人とおぼしき中年男性が清掃係のタイ人ともめ始めた。どうやらトイレに立った隙に席に置いておいた本を片づけられてしまったらしい。 すぐさま英語の分かるスタッフが飛んできて、彼の本を探し出してきた。持ってきた本の表紙には「日本語検定2級」の文字。えええーっ? 「日本のどこで働いてるの?」 ケダール君ともすっかり意気投合してしまった日本語検定受検おじさん。 バンコクからデリーまではこのおじさんもトークに加わり、旅の始めからすっかり日本語付いてしまったワタシ。 いつも飛行機の中ではおぼつかない英語らしき言葉であたふたしているのに。・・・今回は一体、何? このおじさんはHONDA(INDIA)のマネージャーで、日本に勉強のために出向してちょうど1年。 10月には日本語検定2級の試験が控えていて、こうして機内でも勉強しているとのこと。 1年で日本語検定2級に合格するのは結構すごいことらしい(ちなみにケダールはすでに2級を持っていた)。 月給は60万円。デリーに住んでいる。当然、高級住宅街だろう。 「給料35万くらいもらってるの?」 もらってません! 飛行機で出会う時点でわかる事だが、なんだかんだ言ってケダール君も育ちがいいっぽい。 「デリーのホテルはよくわかんないけど、400ルピー以上の部屋に泊まれば間違いないよ。 それに、ホテルの電話番号が二つ以上有ればなおいいね。昔からあるちゃんとしたホテルって証拠だよ」 「?ちょっと、このガイドブックおかしいよ。"全室テレビ付き!"って。テレビがあるのは当たり前だよ。わざわざ書くこと自体おかしいっ!」 ははははは。400ルピー以上の部屋って、あんた。部屋にテレビどころかシャワーすらない部屋(共同シャワーって事)に泊まっても全然平気だなんて言えやしない。 そして、「パハールガンジに行くつもり」の台詞にホンダのおじさんはのけ反り、「やめなさいっ」 と説得にかかる(※パハールガンジはニューデリーの有名な安宿街。中級ホテルもあったりする)。 「YMCAにしなよ。値段は手頃だし安全だよ。君くらいの若い子でも大丈夫だ」 あああ・・・。インド人を言い負かせるほどの脳味噌も気力もないワタシは、とりあえず頷いておいた。 だって、女のひとり旅なんて考えられない国だし熱くなるのもしょうがないってことよ。 ちなみに、電話番号が二つ以上あることを目安にするというのは、インドの電話事情を物語っている。 電話をつなぐのに莫大な時間と費用(つまり袖の下ね)を要するこの国ならではだね。なるほど。 いやはや、インドに1人っていうことで多少の緊張を抱いての旅立ちでしたが、機内の出会いで気負いが抜けて、 「いや~、やっぱり楽しいんだろうなぁ♪インド♪」 って、気持ちがすっかり切り替わりました。楽しみだ~、一人旅インド♪
余談:
「インド人は飛行機の中で会うと英語で会話をするけど、同じ人に電車で会うとヒンディー語で話します。 さらに、地元で会うと地元の言葉で話します(おじさんならパンジャブ語。ケダールはマンディ語)。」 彼らが日本で出会ったら、当然日本語で話すのだという。 「なんで?最初からヒンディー語でいいじゃん。」 「僕らにもわからない。でもなぜかみんなそうだよ。」 確かに、おじさんとケダールだけで会話をしているときは英語だった。 妙に気になったワタシは後日他のインド人にも聞いてみた。 「確かに、何でかわからないけどみんなそうするね。一度、私も不思議に思った事はあるよ。 試しに飛行機で隣のインド人女性にヒンディー語で話しかけてみたんだ。 そしたら、やっぱり英語で返事をされた。しかも、同じ地元の人だったのにね。」 「"同じインド人なんだからヒンディー語で話そうよ"と言ってみたけど、彼女はずっと英語でしゃべり通した」 なぜだろう?やっぱ、英語を話せることはステイタスが高いってことかねぇ。
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