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インド(スピティ編) > 第11話 砂曼陀羅の儀式に法王現る。(キー) [概要: カラチャクラの始まる前の儀式でダライラマをちょこっと拝見] 第11話 砂曼陀羅の儀式に法王現る。(キー)
ゴンパのパーミッションの申請を終えると、許可なしでOKのゴンパの中庭に入れて貰った。 入り口には「本当にこれ動いてるのか?」という様な疑わしげな金属探知器が設置されていて、なんなくゲートをくぐったものの、音も鳴らないのにやっぱり鞄を開けて中身を入念に調べられた。 この探知機は、「入り口ですよ。ここ通りなさい」っていう整列させることが目的の目印なだけかもしれない。 念入りに調べられたあげく「ナイフとか持ってないでしょうねぇ」って聞かれても・・・。もしナイフを持っていても、ここで正直に言わないだろうに。 ふと目の前をNさんが歩いてきた。彼は朝食のあと、はやばやとひとりでゴンパに来ていたのである。 「今、中でなんか踊りみたいなのやってますよ」 そういえば、なにかスピーカーから音楽が流れてきている。中庭の建物で何かの儀式の最中だった。 中を覗こうと階段を上がると、「関係者以外立入禁止」と冷たくあしらわれたのだが、実はその儀式にダライラマ法王が参列していたらしい。どうりで、警備が厳重なワケだ。 (たまに取材許可をきちんと貰っていた報道陣も顔を忘れられて追い返されていた)。 Kさんはデリーで出会ったカメラマン、丸山さんとここで再会。 「キーにはゴンパしかないのだから、この辺をうろうろしてたら逢うだろう。」 そう言ってたら、ホントに彼はやってきた。 「たぶん、ダライラマさんはあと1時間くらいしたらここを通ってゴンパに戻ると思いますよ」 丸山氏の言葉を信じてミーハー根性丸出しのあたしは、炎天下のなかひたすら待ってみた。 1時間が過ぎても、儀式はいっこうに終わる気配がなかった。 日陰にいてもだらだらと汗が流れ落ちてくる。高地で乾燥しているかと思いきやそれなりに湿気があるらしく、それなりに蒸し暑い。 正直なところ、意味の分からぬ音楽に陶酔することもできず、ひたすら待っているだけの時間が苦痛だった。 周囲の人たちも遠くからガラス越しにかすかに見える舞をぼーっと見ているだけで、興味をそそられる面白い人なんかもいないからマンウォッチングもままならずホント暇である。 約2時間半後、儀式が終わって舞手が階段を下りていった。 「お、いよいよ法王のお出ましか?」 ミーハーな観光客も敬虔なお坊さん達も一斉に中庭に集まってくる。 私とKさんは一番見やすい場所に陣取り(でも、最前列はお坊さんに譲った)、待ちかまえていた。 その後、さらに30分ほどの読経が終わると、ダライラマ法王は人々に軽く会釈をして手を振りながらテラスを歩いていった。 ほんの一瞬のことだったが、法王の顔を拝見したお坊さん達は、もう、ものすごい心の底から幸せそうな恍惚の笑みを浮かべ、ダライラマ様ダライラマ様って感じでひたすら手を合わせている。 私は思わず、スターを目の前にしたファンの様にダライラマ法王に手を振り返しそうになったが、ぐっとこらえてぺこりと軽く頭を下げた。 そして、「いいのかなぁ」と思いつつも、周りの外人がばしゃばしゃシャッターを切っていることに勇気を貰い、一枚だけその姿をカメラに収めたのだった。
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