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  [概要: カラチャクラの始まる前の儀式でダライラマをちょこっと拝見]

 第11話 砂曼陀羅の儀式に法王現る。(キー)


ゴンパ
下から見上げたゴンパ

ゲート
キーゴンパへのゲート
 朝食後、ひとしきりテント村の土産物屋を冷やかし終わったところで、いよいよゴンパに向かった。

 カラチャクラのお祭りは8日のダライラマ法王のスピーチにより開催するという。
 今日は6日。だから、お祭りが始まる前にゴンパの内部を見学させてもらおうという魂胆だ。

 ゴンパはテント村の目の前にあるように見える物の優に100メートルは山を登らなければならない。
 周囲の人々は、迷うことなくゴンパをめがけて最短距離の急斜面をずんずん登って行く。

 うーん、4000メートル級のここキーで、そんな無茶はしたくない。だって、山に来たのは昨日だもの。立っているだけで高山病になるくらいの高さだ。あたしらは平地に住んでいる軟弱な日本人。Kさんと二人、のんびりと車道を登っていった。

 キーゴンパにたどり着いたのは、麓のテント村を出てから1時間が経過した頃だった。
 先にゴンパに行ったゴードンから、ゴンパの中に入るには入り口でパーミッションが必要だと聞いていた。 ゴンパの入り口のほったて小屋に近づくと、そこで「PRESS CARD」の発行をしている。

 「プレスカードぉ?」

 並んでいるのはどう考えても一般人。それも西洋人ばかり。

「これは何の列なの?」

「ゴンパのパーミッションさ」


 その言葉を信じて列に並んでいたのだが、いよいよ自分らの番・・・となったところで、ぴしゃりと窓口が閉まる。 ランチブレイクだー(^^;;

 ゴンパの周りには食事をできる場所なんてない。かといって下まで降りれば往復2時間!今の私らにはちょっとキツイ! そう思った矢先にドーナツ売りのおじさんがこちらに近づいてくる~。やったーっ。

 「1ついくら?」「3つで10ルピー」

 とってもかみごたえがある素朴な味のドーナツ(ガラスのチンを持つボクサーにお勧めの一品)。一生懸命かじりながら窓口が開くのをひたすら待った。

 ゴンパのパーミッションの申請を終えると、許可なしでOKのゴンパの中庭に入れて貰った。

 入り口には「本当にこれ動いてるのか?」という様な疑わしげな金属探知器が設置されていて、なんなくゲートをくぐったものの、音も鳴らないのにやっぱり鞄を開けて中身を入念に調べられた。
 この探知機は、「入り口ですよ。ここ通りなさい」っていう整列させることが目的の目印なだけかもしれない。

 念入りに調べられたあげく「ナイフとか持ってないでしょうねぇ」って聞かれても・・・。もしナイフを持っていても、ここで正直に言わないだろうに。

 ふと目の前をNさんが歩いてきた。彼は朝食のあと、はやばやとひとりでゴンパに来ていたのである。

 「今、中でなんか踊りみたいなのやってますよ」

 そういえば、なにかスピーカーから音楽が流れてきている。中庭の建物で何かの儀式の最中だった。 中を覗こうと階段を上がると、「関係者以外立入禁止」と冷たくあしらわれたのだが、実はその儀式にダライラマ法王が参列していたらしい。どうりで、警備が厳重なワケだ。
 (たまに取材許可をきちんと貰っていた報道陣も顔を忘れられて追い返されていた)

 Kさんはデリーで出会ったカメラマン、丸山さんとここで再会。

「キーにはゴンパしかないのだから、この辺をうろうろしてたら逢うだろう。」

 そう言ってたら、ホントに彼はやってきた。

「たぶん、ダライラマさんはあと1時間くらいしたらここを通ってゴンパに戻ると思いますよ」

 丸山氏の言葉を信じてミーハー根性丸出しのあたしは、炎天下のなかひたすら待ってみた。

 1時間が過ぎても、儀式はいっこうに終わる気配がなかった。
 日陰にいてもだらだらと汗が流れ落ちてくる。高地で乾燥しているかと思いきやそれなりに湿気があるらしく、それなりに蒸し暑い。

 正直なところ、意味の分からぬ音楽に陶酔することもできず、ひたすら待っているだけの時間が苦痛だった。
 周囲の人たちも遠くからガラス越しにかすかに見える舞をぼーっと見ているだけで、興味をそそられる面白い人なんかもいないからマンウォッチングもままならずホント暇である。

 約2時間半後、儀式が終わって舞手が階段を下りていった。

「お、いよいよ法王のお出ましか?」

 ミーハーな観光客も敬虔なお坊さん達も一斉に中庭に集まってくる。 私とKさんは一番見やすい場所に陣取り(でも、最前列はお坊さんに譲った)、待ちかまえていた。

 その後、さらに30分ほどの読経が終わると、ダライラマ法王は人々に軽く会釈をして手を振りながらテラスを歩いていった。

 ほんの一瞬のことだったが、法王の顔を拝見したお坊さん達は、もう、ものすごい心の底から幸せそうな恍惚の笑みを浮かべ、ダライラマ様ダライラマ様って感じでひたすら手を合わせている。

 私は思わず、スターを目の前にしたファンの様にダライラマ法王に手を振り返しそうになったが、ぐっとこらえてぺこりと軽く頭を下げた。

 そして、「いいのかなぁ」と思いつつも、周りの外人がばしゃばしゃシャッターを切っていることに勇気を貰い、一枚だけその姿をカメラに収めたのだった。

- インド旅行記:インドの山の奥深く(ラダックはずれてスピティへ) 目次 -
プロローグ
第1話 けだるい彼との出会い
第2話 シヴァの祭りでメインバザールに行けない旅人
第3話 国民的スポーツはクリケットとカバディ
第4話 私もまだまだひよっこだな・・・。
 →【写真】オールドデリーの観光名所
第5話 マナリについたら雨だった・・・がーん
 →【余談】本当にでたインドの痴漢!ねぱり
第6話 断崖絶壁?を行く
 →【写真】インドの山道 (マナリ-サルチュ編)
第7話 自己主張もほどほどに
第8話 旅は道連れ。心は弾む。
 →【余談】インドのお札は日本製?!
第9話 そんなクリスに首ったけ
 →【写真】インドの山道 (マナリ-キー編)
第10話 風呂ナシ、飯ナシ、恥もナシ
 →【写真】カラチャクラフェスティバルのテント村
第11話 砂曼陀羅の儀式に法王現る。
第12話 ラルン、ダンカール、タボのゴンパ巡り(1)
 →【写真】ダンカールの写真館
第13話 ラルン、ダンカール、タボのゴンパ巡り(2)
第14話 ダライラマ法王見参!

第15話 幸せのオーラで世界が平和になるのだ
第16話 テント村の大道芸人
第17話 そして再び1人旅
第18話 英国調。なのに気分は温泉地
 →【余談】さらにインドの痴漢の話。今度はインド人
第19話 じじいのナンパに逃げまどうあたし
第20話 もーー、家族連れでも油断できないのか?
第21話 わんだふるアムリトサル!(その1)
 →【写真】スィクの聖地 黄金寺院
第22話 わんだふるアムリトサル!(その2)
 → 【写真】アムリトサルのローカル
第23話 何となくつなぎで寄ったデリーの1日
第24話 くりしゅなー・プレイス(その1)
第25話 くりしゅなー・プレイス(その2)
 →【写真】マトゥラーあれこれ
 →【余談】初めてインドでヒンディ映画を見た話
第26話 ナメてんのかぁ~!エアインディア!(1)
 →【写真】デリーの写真をちょこっとだけ
第27話 ナメてんのかぁ~!エアインディア!(2)
第28話 ナメてんのかぁ~!エアインディア!(3)
エピローグ

タグ:インド|カラチャクラ|キーゴンパ|スピティ|ダライラマ

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