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  [概要: チベット人ドライバーに振り回され?楽しい1日だった。]

 第13話 ラルン、ダンカール、タボのゴンパ巡り(その2)(キー)

背面からのクアリス 【QUALISのハッチバック】
TATAのSUMOも、TOYOTAのクアリスも、こういう風にハッチは座席なの。 日本の観光バスの補助席みたいなもんだ。 人を乗せたり、荷物を載せたり臨機応変に使い分けるのでしょうな。
法律的にはどうなのでしょう?これはアリ?


 ダンカールを後にした我々はタボ・ゴンパに向かった。
 ここは1996年にカラチャクラフェスティバルが行われたそうで、そのせいかゴンパの周りには宿泊施設やレストランなどがちらほら。建設中のゲストハウスもあり、観光客を集める準備を着々と進めているようだ。

 ダンカールで結構長居をしてしまったため、もうとっくに昼を回っていた。 せっかくドライバーがゴンパの前に車をつけてくれたというのに、花より団子。

「はらへったーー」

 ドライバーの案内でゴンパの裏手の食堂に行ったはいいが、外人が一杯で満席。 かろうじて席が空いている食堂はあまり美味しい食事を出しそうにない。けど、待ってる時間が惜しいので、ここで手を打ってチョーメン(焼きそば)を頼む。

 関係ないが、Nさんは何処へ行っても必ずチョーメンを頼む。

「だって、チョーメン頼んでおけば余り外さないし・・・」

 彼は旅行中の食事にはあまり期待を持たない様子だが、私は意地汚いので、どーしてもうまいモノを食いたい。 うまいモノがないとストレス溜まりそうなのでなかなかアジアを抜けられない(ラサに行ったのは、気の迷い?)。
 そこそこの基準であれば、旅の浮かれ気分が調味料になって美味しいんだけどね。

 しかし、遅い!いつまで経ってもご飯が出てこない!厨房からチョーメンを持ったウェイターが現れるとじーーっと彼の動きを追っていた。
 あ、向こうの人もチョーメン頼んだのか。あ、外の席の人のか・・・。 そうこうしているウチに、明らかに我々よりも後に来たチベット人団体にチョーメンを運ぶ彼。

「ちょっとー、こっちのチョーメンはまだなわけ?」

しまったっ、忘れてたという顔をした彼は慌てて厨房に戻る。

 そして、さらに十数分が過ぎた頃、本当に申し訳なさそうな顔をした彼が我々の前にやってきてこう言った。

「すみません。チョーメンはなくなってしまいました。」

 こらっ、いい加減にしなさい!

 諦めて食堂を出ると「まだ食べてなかったの?」とドライバーに笑われる。
 結局、車で更に別のレストランに行くと、注文したモノがあっさりと運ばれてきました。・・・早かった。

 タボ・ゴンパの内部は撮影禁止。正しくはフラッシュ禁止だったと思う。 ここのお坊さん達はカラチャクラのためにキーに行ってしまっているのか、ゴンパの番は村人が担当していた。

 「誰も見てないから写真撮っちゃえ!」とこっそり撮ってる外人がいたが、しっかり「写真はダメだよ」って子供に注意される。子供に怒られるってのも情けないな~、もうっ。

 ところで、ここの立体曼陀羅は、本当に初めて見る不思議なものだった。 色とりどりの神様の像が壁一面にくっついているのである。壁面に描かれた曼陀羅の仏像が飛び出して来たかのようで、その数33体!
 私の描写ではその素晴らしさを語れないし、絵に描くこともできないので、文献を読んで戴くことをお勧めします。 カシミール様式の素晴らしい壁画などが残された貴重なお寺ということです。 あ、それでインド政府が目を付けたのか。

 観光客が集まると、そこいらに腰掛けてくつろいでいる村人がよっこらせと立ち上がって鍵を開けてくれる。 ところどころ天井が空いていて光が入っているのは神々しいが、その分痛んでました。 修復が必要な壁もかなり多かったな。
タボゴンパ
素朴な外観のタボ・ゴンパ

タボゴンパの鍵
ゴンパの鍵

 さて、タボ・ゴンパを見終わったると、もう結構いい時間になっていた。あの食堂の待ち時間が余計だったのだ! これじゃラルン・ゴンパに着く頃には日が暮れるかもしれない。
 「もう、帰ろうぜ!」なんてドライバーが言い出すのではないか?

 おまけに、新車のハズのこのクアリス!
 スピードメーターの横に何かの警告ランプがついており、さっきからずっとピーーーーと警告音が鳴り響いている。うるさーーい!
 ちょっと走ると車を止め、ダッシュボードからマニュアルを出したり(実はマニュアルと言えるような代物じゃなかったが)、ボンネットを開けてエンジンをじーーーっと見たり、ファンベルトを触ったり(いや、切れてたら走らないでしょ)、とにかくぜんぜん進まないのだ。

 車の構造なんてよくわからないが、このランプが何なのかは確かに気になる! でも、でも、警告音なんだから、まだ大丈夫のハズさ。とりあえず、進んどこうぜ。

 そして、ドライバーも自分ではどうすることも出来ないことをやっと悟って走り出したはいいけど、今度は大音量でインド映画音楽を流す。気になるぴーーーをかき消すためだと思う。

 ああっ、もう、やめてよ~!音楽のせいで会話がとても聞き取りにくいのがイヤだ。 どうして声を張り上げて会話をしなければならないんだ。
「あ、インド映画音楽だね」
なんて、楽しむ気分ではないのだ~。

 行きに置き石に阻まれ後回しにしていたラルン・ゴンパへの道までたどり着いた時は、午後の四時を回っていた。
 もう完全に行くつもりはないだろうと半分諦めていた我々をよそに、ドライバーは俄然張り切り出した。
 なぜだか知らないが、これまでに出したことのないスピードで(でも早くはない)、がんがん山道を上がって行く(最初からそのくらいスピード出してくれればいいのに)

 昼間、道を阻んでいた大きな岩はドライバーの思惑通りどけられていた。ちゃっかりしていて面白い人だ。
 そして、我々の車の後方に一台のジープがピッタリとついていたのだが、速度が遅いこの車を追い抜きたくてしょうがないみたいなのに、何をこだわっているんだか一向に道を譲らない。タチ悪い。

 抜きつ抜かれつで走ること1時間。ようやくラルン・ゴンパに到着。いつもは車で待機しているドライバーもゴンパまで一緒に来て手を合わせている。
 なんだ、自分がここのゴンパにお参りしたかったから来たのか。

マナリのおばちゃん
仲良く記念撮影(Nさんはカメラ)
 ここまで超低レベルのレースをしてきたジープは、チベット人のおばちゃん達がチャーターしたモノだった。 彼女たちはマナリからカラチャクラのために来たそうだ。マナリで外人向けレストランをやっているという。

 正直なところ、我々のゴンパ巡りは信仰心というより、好奇心。 それを知っているとは思うのだがチベット人は日本人にとても優しい。

 知ったかぶりでマニ車を回しながら「オーマミベイメホーだっけ?」なんて言ってると「違うわよ!正しい発音はこうよ!」と教えてくれる。(「オームマニペエメフーム」=「ああ、蓮華の上の摩尼宝球よ、幸あれ」という意味のマントラ)

 一通りお参りした後、お寺でインド式のチャイをご馳走になって、おまけにお茶請けにパレを分けてくれるおばちゃん。なんだか最後にこのタイミングでゴンパに来れて、とても和んだ。

 ラルン・ゴンパを出る頃になると、空は夕焼けから夕闇に変わりつつあった。 そして、下りも先のジープとはまたもやレース状態。おいおいおい、いい加減先に行かせてやんなよ~。

 しばらくして、ドライバーは突然車を止めた。
 心を入れ替えて先を譲るのかと思いきや、目線の先にはかわいらしい女の子が二人立っていた。農作業帰りのヒッチハイクである。

 実は彼は今日、西洋人旅行者やおっさんのヒッチは完全に無視してたんですが、女の子を見た途端にぴたっと停車。あまりのわかりやすさに笑ってしまった。鼻の下のばしまくり。
 彼女たちをハッチバックの補助席に乗せると、大声で彼女たちと会話を始める。オジサンが女の子に弱いのは世界共通だ。

 とっぷりと日が暮れたところで、キーのテント村に到着。長~い1日だった。

 なんだかんだ言ってこのドライバーはいいヤツだった。以前雇ったインド人のドライバーの様に行きたくもないところに連れていったり、時間制限をかけたり、セクハラもなかった。

 このドライバーはネアカだし、こっちの好きなようにさせてくれるし、いくら長い時間待たせてもイヤな顔ひとつしなかった。それに、表裏が全くなくて素直で人間らしかったな。車のかわいがり方が尋常じゃないのが苛ついたけども。

 ま、お疲れさまでした。ありがと~。


- インド旅行記:インドの山の奥深く(ラダックはずれてスピティへ) 目次 -
プロローグ
第1話 けだるい彼との出会い
第2話 シヴァの祭りでメインバザールに行けない旅人
第3話 国民的スポーツはクリケットとカバディ
第4話 私もまだまだひよっこだな・・・。
 →【写真】オールドデリーの観光名所
第5話 マナリについたら雨だった・・・がーん
 →【余談】本当にでたインドの痴漢!ねぱり
第6話 断崖絶壁?を行く
 →【写真】インドの山道 (マナリ-サルチュ編)
第7話 自己主張もほどほどに
第8話 旅は道連れ。心は弾む。
 →【余談】インドのお札は日本製?!
第9話 そんなクリスに首ったけ
 →【写真】インドの山道 (マナリ-キー編)
第10話 風呂ナシ、飯ナシ、恥もナシ
 →【写真】カラチャクラフェスティバルのテント村
第11話 砂曼陀羅の儀式に法王現る。
第12話 ラルン、ダンカール、タボのゴンパ巡り(1)
 →【写真】ダンカールの写真館
第13話 ラルン、ダンカール、タボのゴンパ巡り(2)
第14話 ダライラマ法王見参!

第15話 幸せのオーラで世界が平和になるのだ
第16話 テント村の大道芸人
第17話 そして再び1人旅
第18話 英国調。なのに気分は温泉地
 →【余談】さらにインドの痴漢の話。今度はインド人
第19話 じじいのナンパに逃げまどうあたし
第20話 もーー、家族連れでも油断できないのか?
第21話 わんだふるアムリトサル!(その1)
 →【写真】スィクの聖地 黄金寺院
第22話 わんだふるアムリトサル!(その2)
 → 【写真】アムリトサルのローカル
第23話 何となくつなぎで寄ったデリーの1日
第24話 くりしゅなー・プレイス(その1)
第25話 くりしゅなー・プレイス(その2)
 →【写真】マトゥラーあれこれ
 →【余談】初めてインドでヒンディ映画を見た話
第26話 ナメてんのかぁ~!エアインディア!(1)
 →【写真】デリーの写真をちょこっとだけ
第27話 ナメてんのかぁ~!エアインディア!(2)
第28話 ナメてんのかぁ~!エアインディア!(3)
エピローグ

タグ:インド|スピティ|ダンカールゴンパ|ラルンゴンパ

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