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  [概要: 1人で夜の移動は痴漢に遭う確率100%??]

 【余談】さらにインドの痴漢の話。今度はインド人

 マナリの道ばたに座って時間をやり過ごしていたとき、目の前に一台の小さなバスが止まった。 お、これがミニバス?

「ねえ、シムラに行くバスってこれ?」
「あ、そうだよ。乗りな」

 乗り込んだバスの席はすでに半分以上が人で埋まっていた。
 ドライバーは20歳前後の青年。コンダクターに至っては9歳の少年である。 少年は窓から上半身を乗り出し「チョロ、チョロ」とターミナルの中にバスを誘導している。

「何処の席に座る?後ろ?それとも前?」
「まえー!!」

 一瞬たりとも迷うことなく、きっぱりと答えた私。だって、だって、コンダクター席に座る人を見ていて、ずっと座りたいと思っていたんだもん!

 先に書いたようにバスは満員御礼。旅行会社が多めに客を取ったらしく、座れなくて怒っている親父がいたが、それも、途中で降りる人がいるので何とか怒りを収める。コンダクター君はしばらく立ちである。

 私は早々にコンダクター席の一番端っこ、運転席から一番離れたところをとった。
 自分のザックに寄りかかり、靴を脱いで足を投げ出せば快適そのもの。 後ろのせまーい座席を思えばここは天国と言っても過言ではない。

 私の隣には中学生の少年がいた。その隣に中年のおじさん。 少年はマナリから30㎞ほど下った小さな町のおじさんの家を尋ねるという。
 まだ英語は勉強中らしく、必至に考えながら話しかけてくる。 必ず、「She is ~?」と私に問いかけるので、なんだかナンパされているみたいである。 「かーのじょぉー」ってさ。

 ドライバーはとても若いが敬虔なヒンズー教徒の様だ。 途中の寺院で車を止め、1人、ささっと旅の無事をお祈りする。

「誰が祀ってあるの?」「シヴァ」

 そして、寺院で貰った何かの実をコンダクター席にいる面々にお裾分けしてくれた。

 コンダクター席は、ドライバーと話をしたり、少年にリンゴを貰ったり、神様の食べ物を貰ったり、 後ろでは体験できない面白席であった。
 そして、電車にのると車両の一番前を陣取る小学生の様に、目の前に迫り来るインドの暗闇を見ているのが 楽しかった。いや、ほとんど何も見えないんですけどね。
 でも、街灯や民家の明かりでうっすらと景色が浮かび上がる。 横に流れるのではなくて、前からっていうのがいいのよ。それもバスだから高さがあるでしょう。 昼間はいろんな意味でスリル満点だろうな~。牛が突然現れたりしてさ。

 しかし、楽しいには楽しい席のだが、実はエンジンの真上なので、ちょーー暑い
 そう。インドのバスやトラックの構造をよく考えるべきだった。少年が座っているシートの真下はエンジンである。 そして、はじっこの私の席の真下はタイヤ。道はいいので揺れは問題なかったがとにかく暑い。

 3時間後、隣の少年が降りた。他にも途中下車した人がいたため、おっさんは空いた後ろの席に移っていた。 そして、一仕事終えたコンダクターくんが、私の隣に戻る。

 その途端、突然、ドライバーは私のことをくどき始めた。

「シムラでは俺と一緒に過ごさないか?」

 やだっつーの。なんで君と一緒に過ごすんだい?田舎に来たから油断していた。 こんな山奥でもナンパされるとは・・・。侮れないぞ、インド。

「コンダクターの事は気にしないでいいよ。こいつは英語わからないからさぁ」

 そういう問題ではありません。
ミニバス内部図解
ミニバスの内部図解

バスの運転席
運転席はこんな感じ

 私はコンダクター席に乗りたいと思っていたのは事実。しかし、実はデリー→マナリのバスでの経験から一般客席を避けてみたんである。だって、隣にインド男が座るのは必至。通路側になった日には両側男である。
 勿論、インド男全員が痴漢な訳ないが、可能性を最小限に押さえてみようと自分の女の部分がぴぴと瞬時に反応した。だって、コンダクターは少年だし、大丈夫そうでしょ?

 とはいえ、ドライバーも若い男だってことを忘れていたのは迂闊だった。 今となっては笑いの種だが、ちょっと(かなり)軽率だったらしい。 ナンパはどうでもいいんだけどさ。ほっておけばいいんだから。

 コンダクター君はお子さまなため、夜中にはすっかり熟睡してしまった。
 そして、先も書いたとおり、この空間はちょうどエンジンの上なために、とても暑いのだが、ドライバーは窓をぴっちり閉めるんである。

「この暑いのになんでまた・・・」と思っていたが、これって・・・私が着ている服を脱ぐのを待っていたのだ。 北風と太陽かよ(^^;;

 私は旅の時、どんなに暑い国でも絶対に長袖シャツを羽織っている。特にインドなどでは体の線が出ないように気遣っている。そのためその下は必ずタンクトップなど袖のない服を着て少しでも暑さをしのぐことにしている。
 だからどんな状況であろうと公衆の面前ではシャツを脱がない。 インド男の前で少しでも脱いでしまったらどうなるか、以前のインド旅行で学習済みなのである。

 「寝るときは、足を窓の方に投げ出していいよ。そうすると楽だよ」

 ドライバーには、何度も何度もこの台詞を言われ続けた。
 私は自分のザックに寄りかかり、座席の上で胡座をかいたり、体育座りをしたりしていた。 足を投げ出し、がーーッと熟睡してしまえば、体はとても無防備な状態になる。
 彼はその瞬間を待ち望んでいたらしい。そのときはちーっとも気づかなかったけど(笑)

 場所が場所なだけに、とても熟睡できるような状況ではないが、なんだかんだといって眠気が襲ってきた。 窓にもたれかかり、うとうととし始めるワタシ。

 すると、なんか変な感触があり、はっと目が覚める。 その瞬間に自分の右斜め前を黒い影がさっと走るのが見える。

 「????なんなの?」と思いつつ、またちょっとうとうとし始める。

 しかし、今度は先ほどよりもさらに眠りが浅かった。変な感触と共に我に返る。

 ・・・もしかして、これは・・・痴漢行為?

 ちょうど、道はまっすぐな上り坂だった。ここでドライバーは思いっきりアクセルをふかした。バスはちょっと加速ししばらくの間、惰性で上っていきそうである。
 そこで彼は右手でハンドルを固定し、素早く左足を大きく私の方へ踏み出した。 必死に左手を伸ばし触ろうとしているのである。
何とか触ろうとするドライバー

 コンダクターは熟睡してるし、チャンスは今しかない!
 でも、所詮、彼は運転中でゆっくり触ることもできない。目測も誤る。そんでもって私は目を覚ましてしまい、せっかくのチャンスをフイにしたらしい。

 しかし、このせいで彼が運転を誤った場合、私の立場は一体どうなったのだろうか? ドライバーは他の乗客や警察に向かって、ヒンディー語であることないこと言うような気がする。

 ちなみに、このコンダクター席は女性は一番乗ってはいけない場所だそうである。ましてやお金を払って乗る場所ではないらしい。
 乗ると楽しいけど、せめて昼間にしときましょうね。 ワタシは好奇心で一度乗ってみたかっただけなので、もう乗りません(たぶん)。

「女に生まれなければもっと楽しいのに・・・」って旅の時にはよく思うのだが、 もし私が男だった場合、羽目を外しすぎて命を落としそうなので、女で良かったのかもしれない。 女だからこそ、慎重に行動してるんだし。男だったら身ぐるみ剥がされてその辺に捨てられてる気がする。

 ま、とにかく、これからはちょこちょこと昼間移動することにしておこう。 寝るのはホテルが一番だ~。もうっ。

- インド旅行記:インドの山の奥深く(ラダックはずれてスピティへ) 目次 -
プロローグ
第1話 けだるい彼との出会い
第2話 シヴァの祭りでメインバザールに行けない旅人
第3話 国民的スポーツはクリケットとカバディ
第4話 私もまだまだひよっこだな・・・。
 →【写真】オールドデリーの観光名所
第5話 マナリについたら雨だった・・・がーん
 →【余談】本当にでたインドの痴漢!ねぱり
第6話 断崖絶壁?を行く
 →【写真】インドの山道 (マナリ-サルチュ編)
第7話 自己主張もほどほどに
第8話 旅は道連れ。心は弾む。
 →【余談】インドのお札は日本製?!
第9話 そんなクリスに首ったけ
 →【写真】インドの山道 (マナリ-キー編)
第10話 風呂ナシ、飯ナシ、恥もナシ
 →【写真】カラチャクラフェスティバルのテント村
第11話 砂曼陀羅の儀式に法王現る。
第12話 ラルン、ダンカール、タボのゴンパ巡り(1)
 →【写真】ダンカールの写真館
第13話 ラルン、ダンカール、タボのゴンパ巡り(2)
第14話 ダライラマ法王見参!

第15話 幸せのオーラで世界が平和になるのだ
第16話 テント村の大道芸人
第17話 そして再び1人旅
第18話 英国調。なのに気分は温泉地
 →【余談】さらにインドの痴漢の話。今度はインド人
第19話 じじいのナンパに逃げまどうあたし
第20話 もーー、家族連れでも油断できないのか?
第21話 わんだふるアムリトサル!(その1)
 →【写真】スィクの聖地 黄金寺院
第22話 わんだふるアムリトサル!(その2)
 → 【写真】アムリトサルのローカル
第23話 何となくつなぎで寄ったデリーの1日
第24話 くりしゅなー・プレイス(その1)
第25話 くりしゅなー・プレイス(その2)
 →【写真】マトゥラーあれこれ
 →【余談】初めてインドでヒンディ映画を見た話
第26話 ナメてんのかぁ~!エアインディア!(1)
 →【写真】デリーの写真をちょこっとだけ
第27話 ナメてんのかぁ~!エアインディア!(2)
第28話 ナメてんのかぁ~!エアインディア!(3)
エピローグ

タグ:インド|コンダクター席|ドライバー|夜行バス|痴漢

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