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  [概要: 楽しかったアムリトサルの夜は更けてゆく。るーるるー(効果音)]

 第22話 わんだふるアムリトサル!(その2)(アムリトサル)


コカコーラ 【コカコーラの工場前】
敢えて撮るほどでもないが、アムリトサルの町外れにあったので。 インドではどちらかというとぺぷしの方が売れている気がした (売れてるというより売られてる)。
コカコーラとペプシのCM合戦は何処の国でも熾烈でっせ!

 アムリトサルに来た目的はもう果たしたので、この日は思う存分うろつくことにする。 とりあえず、ガイドブックに載っているジャリアンワーラー庭園に行ってみようと思ったが、気が付いたら迷っていた。実は昨日もここに行くはずだったのに、辿り着けなかったのである。
 うう。何をやってるんだ、私。

「あれぇ?また来たの?」

 昨日とは違う道を歩いていたハズなのに、また同じ道に迷い込んだらしい。 昨日お邪魔した工房の青年にまた見つかってしまったのである。で、結局またもやチャイをごちそうになる。 昨日は閉店を邪魔したが、今日はさらに仕事の邪魔をしている私。

「インド人はフレンドリーなんだよ。そう思うだろ?」

 確かにね。でも、インド人というより、アムリトサルの人がそうだと思う。 フレンドリーなだけでなくすれてない。

 黄金寺院でハニーという名のめちゃめちゃかわいいスィクの少年にあった。 彼は妹からもらったという大事な大事なお守りを私にくれた。
 独立記念日が近い今の時期は、赤や金の糸で作ったミサンガの様なものを売る店があちこちに出ている。 これは女の子が自分の家族(おにーちゃんや弟)にあげるお守りなんだそうだ (そういえば、シムラでも女の子がたくさん店に群がっていたっけなぁ)

 そんな大事なものをただ寺院で偶然話をしただけの外人にあげてもいいのか、ハニー。 何度も断ったのに、断る度にすごく悲しげな顔をするからまいったのよ(^^;;。

 帰国後、秋葉原なんか見かけるインド人の腕をじっと観察してみると、男性はみんな赤いひもを腕に巻いていました。 これも旅で無事でいますようにって、家族から貰ったお守りみたいだ。
 日本人だとそういうのって照れてしまいますが、インドの男性はホント「家族が一番大事に決まってるだろ」って堂々としているのがなんだかすごい。

「自分の娘が結婚するとなったら、いくら相手が好青年でもお父さんは娘を取るいやなやつーって思うよ」

とあるインド人青年と話していたとき、いつの間にか恋愛、結婚談義になっていた。 そして、そいつはいともあっさりこういったのである。

「インド人はお父さんだけじゃないね。妹(や姉)が結婚するときもそう思うよ。 もし妹に何かあったら俺はその男を殺す!」

 いやいや、確かに兄弟は大事だけどそういうことって他人にはっきり言えないよね。我々は。 インド人は自己主張が強すぎて疲れるなぁと思う反面、こういう意味では素直なのは見習うべきところかもしれません。

 話がそれた。
 ようやっとジャリアンワーラー庭園にたどり着いた時、時刻はすでに午前11時くらいだった。 ここはインドの独立運動の最中に起こった「アムリトサルの大虐殺」の現場だ。
 銃撃から逃れようとして人々が飛び込んだという井戸などが残っているが今や静かな公園という感じ。 ちょこちょこっと英語で解説が書いてあったと思う。

 「アムリトサルはどうですか?」

 ここで突然、クルターを来たおじさんに声をかけられた。
 どうですかっていう質問って一番困りませんか? そういうのは英語が堪能な外人に聞いてくれ。もっと具体的な質問を頼むぜ~。答えられない。

「なに?ひとり旅をしているのか?ご飯もひとり?だったら今日はうちに食べに来なさい」
ジャリアンワーラー庭園
ジャリアンワーラー庭園

 おじさんはアムリトサルの町で時計屋さんをしている。昼には一度家にご飯を食べに戻るらしい。

「今何時?11時半か。えーっと、1時間後、12時半にここの住所の場所に来なさい」
「え?住所みたって私はそこに行けないよー」
「大丈夫。そこら辺の人に聞けばすぐ教えてくれるよ」

 時計屋さんの住所と、自宅住所をさらさらっと書いて渡された。 「必ず来るんだよ!」って、行っても平気なのか?

 そのままアムリトサルの町をぶらついていると、にやにやっとした青年軍団に話しかけられる。

「何処から来たの?何処へ行くの?名前は何?何処に泊まってるの?」

 明らかにナンパの青年軍団。そして、やはりデリーに住んでいた(←こういうとデリーの好青年に失礼・・・)。 だんだんとこういう変な人のあしらい方がわかって来たのですぐにどこかへ行ってしまったが、 ふと疑心暗鬼になってくる。・・・あのおじさんが悪者だったらどうしようか。

 そう思うのなら行かなければいいのだが、親切な人だったら悪いしご飯1人で食べるの飽きて来たし・・・。 怖い目にはあいたくないけど人にかまって貰いたいっていう典型的な旅人のワガママである(もう、シムラでの出来事は忘れている)

 私はよーーく考えた末に一目散に宿に戻った。部屋の中には誰もおらず、みんなどこかに出払っていた。
 ここぞとばかりにパスポート、カメラ、その他、主立った金目のものは全てザックの中にしまい込む。 現金はあまり少なすぎるとかえって危険なので、小分けして鞄に入れたまま。 ドミトリーでこれはかなり無謀だが、一か八かだ。(←バカ)

「遅いじゃないか!もうご飯食べちゃったよ」

 食後に水浴びをしていたおじさんが上半身裸のままで体を拭きつつこう言った。 まさか疑って金目のモノを置きに行ったなどと言えるわけがない。

 家にはお母さん、中学生の娘、結婚した年頃の娘とその旦那、そしておじさんがいた。 まず、水を出してくれ、お話をしていると、チャイが出てきて、そのうちいつの間にかご飯をだしてくれた。 遅れるくらいなら来なければ良かった・・・。わざわざ私のために新たに食事を作ってくれたのである。

 狭い部屋には、祭壇、テレビ、大きなベッド、冷蔵庫などがみっちり敷き詰められている。 ここは居間兼寝室の様だ。 英語が喋れるのはおじさんと娘の旦那だけ。娘は二人とも片言(同レベル)である。

 お母さんのご飯はとてもおいしくて、心の中で遠慮しつつもあっという間に平らげてしまった。
 そして、そのまま居座って会話をしているうちに、オジサンやお姉さんの期待のこもったまなざしを感じ、ふとイヤ~な予感が走った。そして、下の娘がふと姉の結婚式の時の記念写真を出してきたとき、その予感は確信に変わった。

 この人達は写真を撮ってもらいたいんだ!

 ががーん。すごい罪悪感にさいなまれる。カメラはもって来ようかとも考えましたよ。 でも、もしカメラを盗られちゃったら私の旅の思い出もこれからできるはずの思い出も残らなくなるし・・・って思ったんだモノ。ごめんなさい・・・。

 「晩御飯も食べに来る?」との問いに「絶対来る!」と即答した私。
 「ちゃんとカメラ持ってくるからね!」と約束して宿へと戻った(「昼寝してけば?」という申し出は断った)。

 夜の9時。カメラを持って再び訪ねると、お母さんと下の娘が二人テレビを見ていた。 お姉さんとその旦那は、自分の家に帰っていていなかった(つまり写真を期待して遊びに来ていたってことよ(^^;;)

 もはや片言英語も通じなく会話がままならないので、バチッと目が合う度にお互いににへらと笑うしかない。 そんな感じで時間をやり過ごしていると、お父さんがビニールに入れたお米を1合ぶんくらいぶら下げて帰ってきた。
 私のためにお米を使って特別料理を作ってくれるというのだ。

 ここのお父さんは晩ご飯にはちょびっと晩酌をするらしい。

「一生懸命家族のために働いて、ご飯食べて、神様にお祈りして、ちょっとだけお酒を飲む。 贅沢なんてしない。シンプルな生活が一番だよ」

 パパドゥをつまみにくいっと一杯。1日のほんのちょっとの贅沢な時間。

めちゃウマイご飯
これが夕食。めちゃウマ
 30分後、出てきたご飯はほんのり薄紫色。紫玉葱とニンニクを一緒に炊き込んであって、ふわっとたちこめるニンニクの香りが食欲をそそる。そして、あっさりとして辛すぎないカレーがまたそれを引き立てる。 ダヒーも単なるヨーグルトではなく、中にナッツとかいろいろ入っていた(だって、何かわからない)。

 でも、あれ?プレートはひとつだけしか出てこないんだが・・・。

 「あれ?ええと・・・」と一瞬とまどったのだが、以前インド人に言われた言葉を思い出した。

 「どうぞ一緒に食べましょう」

 その台詞を皮切りにおじさんが一緒に食べ始めた。でも、おじさんだけ。 私はこの家の主のお客として扱われていたので、常に優先されていた。
 数分後、台所から戻ったお母さんと娘は、昼間私が戴いた料理とチャパティーを食べ始めた時、そのことを確信した。うわーー、勝手におじゃましているのに申し訳ない・・・。
 それにやっぱり、普段は余りお米なんて食べないんだなぁ。北インドでは高いって言うしなぁ。

 食事が済むと娘は普段着のシャルワールカミーズを脱ぎ、よそ行きに着替えた。
 昼間のお姉さんの化粧ばっちりの顔を思い出すとちょっと心が痛む。 写真館で撮るのがどのくらいお金がかかるのかわからないが、今日戴いた食事以上のことはしなければ・・・。

「そういえば、初めてインドに来たときもこんな事したよなぁ・・・」

 そんなこんなで、アムリトサルの夜は更けていく。るーるるー(効果音)


 てなわけで、アムリトサルのその他の出来事はここからジャンプしてみて。
 ニコニコとテキトウに旅行者の相手をしてくれる人ばかりで大変楽しかったです。ありがとうございました。

- インド旅行記:インドの山の奥深く(ラダックはずれてスピティへ) 目次 -
プロローグ
第1話 けだるい彼との出会い
第2話 シヴァの祭りでメインバザールに行けない旅人
第3話 国民的スポーツはクリケットとカバディ
第4話 私もまだまだひよっこだな・・・。
 →【写真】オールドデリーの観光名所
第5話 マナリについたら雨だった・・・がーん
 →【余談】本当にでたインドの痴漢!ねぱり
第6話 断崖絶壁?を行く
 →【写真】インドの山道 (マナリ-サルチュ編)
第7話 自己主張もほどほどに
第8話 旅は道連れ。心は弾む。
 →【余談】インドのお札は日本製?!
第9話 そんなクリスに首ったけ
 →【写真】インドの山道 (マナリ-キー編)
第10話 風呂ナシ、飯ナシ、恥もナシ
 →【写真】カラチャクラフェスティバルのテント村
第11話 砂曼陀羅の儀式に法王現る。
第12話 ラルン、ダンカール、タボのゴンパ巡り(1)
 →【写真】ダンカールの写真館
第13話 ラルン、ダンカール、タボのゴンパ巡り(2)
第14話 ダライラマ法王見参!

第15話 幸せのオーラで世界が平和になるのだ
第16話 テント村の大道芸人
第17話 そして再び1人旅
第18話 英国調。なのに気分は温泉地
 →【余談】さらにインドの痴漢の話。今度はインド人
第19話 じじいのナンパに逃げまどうあたし
第20話 もーー、家族連れでも油断できないのか?
第21話 わんだふるアムリトサル!(その1)
 →【写真】スィクの聖地 黄金寺院
第22話 わんだふるアムリトサル!(その2)
 → 【写真】アムリトサルのローカル
第23話 何となくつなぎで寄ったデリーの1日
第24話 くりしゅなー・プレイス(その1)
第25話 くりしゅなー・プレイス(その2)
 →【写真】マトゥラーあれこれ
 →【余談】初めてインドでヒンディ映画を見た話
第26話 ナメてんのかぁ~!エアインディア!(1)
 →【写真】デリーの写真をちょこっとだけ
第27話 ナメてんのかぁ~!エアインディア!(2)
第28話 ナメてんのかぁ~!エアインディア!(3)
エピローグ

タグ:アムリトサル|インド|庶民のご馳走|民家

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