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  [概要: グジャラーティ手強し!恐るべしインドの公用語。]

 第5話 インドは広いな大きいな(ディーヴ-ウナ-ジュナーガル)

チャクラリクシャ 【チャクラリクシャ】
乗り合い式のリキシャ。 座席が車体の側面に沿って設置されているため、普通のリキシャよりたくさん人が乗れる。 タイのソンテウをみたいなもんだ。
昔はデリーにもあったが、排ガスが多いため禁止になった。 ディーヴではいつまで生き延びるか?

 ディーヴの町を後にし、グジャラート本土を北上する。 とりあえず、3日前に列車を降りたヴェラヴァルから北に50キロくらいに位置する町、ジュナーガルを目指すことにした。

 私はナゴアビーチを11時発のバスで出た。
 ディーヴからグジャラート各地に行くバスは本数が少なく、早朝の場合が多いのでジュナーガルまで直行するバスを逃してしまったのだ。
 こういう場合は、ローカルバスやチャクラリクシャなどで、ディーヴから北に15キロほどにある町ウナに向かうか、ヴェラヴァルにバスで行けばいい。ディーヴからこれらの町までは頻繁にバスがあるし、さらにこれらの町からグジャラート各地行きのバスはたくさんある。時間さえあえば、列車も使える。

 要するに、ディーヴってホントにちっぽけな島だったんだなぁ。リゾート地なのにねぇ、一応。

 目の前に止まっていたウナ行きのミニバスに乗り込んだが、特に出発時間が決まってはいないようで、ぎゅうぎゅうになるまで乗客が押し込まれたところでようやく出発した。インドでも地方のミニバスは客が集まり次第出発という仕組みだ。

 バスの車窓から改めて見るディーヴの町は昨日まで見ていたビーチとは全く異なっていた。

 リゾートなのはほんの一部だけであって、実際のこの島は田舎の小さな漁村。 海岸沿いには無数の漁船が停泊している。

 そして、窓からかすかに入るにおいは潮臭い。
 海外で日本の海岸のようなにおいを感じたのは初めてのことである。
 海=潮くさいという私のイメージにぴったりはまり、なんとも懐かしい雰囲気だ。

 間もなくバスは内陸に入り、風景は一転。どこにでもあるようなインドの片田舎の風景に入り込んでいった。
 それからホンの十数分でバスはウナの町に着き、隣に座っていたインド人の親子と共にバスを降りた。

「どこ行くの?ウナ?ジュナーガルまでいくんならもうすぐ列車が来るわよ」

 バスの前に列車の時間を確かめにいってみよ~。

ウナの駅舎
ウナの駅舎
 ウナの駅舎はとても地味で小さかった。
 町を歩いていても、駅の方向を指示する看板なんかもいっさいなかったが、駅舎にも駅名が全く書いてない。 小さな町だし、列車を使うのも99%が地元民だろうし、必要ないと言えば必要ないかも。
 しかし、駅舎の前に何台か待機しているリキシャが目にとまらなければ見逃していたと思う。

 ホームに入ると、何人かの人が列車を待っていたが、この駅は本当に使われているのかと疑うほどひっそりと静まりかえっている。うーむ。明らかに赤字路線だろうなぁ。これじゃ。

 この後、切符売場の親切な駅員の「列車の出発は2時間後(午後3時発)だからバスの方が早いよ」との助言に従い、結局、ジュナーガルにはバスで行くことになった。

 駅前の静けさとはうって変わってバスターミナルの周りにはマーケットが広がっており、途端に人口密度が増えた。
 やはり列車の整っていない場所では人々の足はバスである。その周りが自然と栄えてくるのも理にかなっているというもの。

 早速、ジュナーガル行きのバスの時間を調べようと時刻表をみつけたモノの思いっきりグジャラーティである。
 ・・・手強い。どうしろっっていうのさ。行き先すら読めん!

 今までに行ったインドの町だと、その地域の文字で書かれた時刻表の他に大抵英語の時刻表があった。グジャラーティの時刻表しかないということは、グジャラーティしか必要としないことに他ならないワケで、つまりインド人のツーリストも来ないと言うことである。

「インドはまだダメだね。同じインド人なのに、言葉がわからない」

とあるインド人の言葉を思い出した。

 お札に15の言語が表示されていることは確かに必要不可欠なことで、公用語をヒンディ語に統一しようという動きに反対が上がったということもようやくわかった気がする。

 日本にだって方言はあるし、違う地方に住んでいる人の話す言葉は聞いててわからないこともよくある。
 とはいっても、例えば東京の人間が鹿児島の方言を理解できないことがあっても、鹿児島の人間は東京の言葉は理解できる。
 その背後には日本の徹底した標準語教育があったのだな。 考えてみれば、ニュース番組のキャスターって標準語で喋ってるし・・・。

 そして、文字は同じだ。どんなに遠くに行ったって、駅の看板が、時刻表が読めないなんていうことはあり得ないもの。
グジャラーティ数字【グジャラーティ数字】
レストランのメニューから書き取った(ちょっとした店は英語表記がある)
時刻表
時刻表の一部。時刻は一見ローマ数字に見えるが実は違う

 インドでは同じインド人でも話し言葉どころか、筆談でも意志疎通が叶わないこのか・・・。
 広い国だなぁと思うと同時に、この国が一つになって大きくなっていくのは本当に大変なことだと実感した。

 国民的な所得が平均的に上昇すれば、各家庭にTVがあるようになれば、自然とみんながヒンディ語を憶えるのかな・・・とも思うが、そうなるには所得を上昇させるだけの仕事が必要で、少なくとも地元の言葉の読み書きだけでもちゃんと出来るようにならないといけないのかも。

 国の発展具合に識字率が持ち出されることがよくあるけど(調査が必ずしも正しいとは思わないが)、今の日本人は当たり前のように文字が書けるけど、それって結構すごいことなのかもね。
 もし、私が日本語の文字が読めなかったら、日本で生きてくの大変だよなぁ。

 そんなこんなで、グジャラーティ付けに四苦八苦しながら(当たり前だが英語どころかヒンディ語も通じない)、ジュナーガルに着いたのは日もとっぷり暮れた頃。

 ただの移動だけで終わったが、しみじみ考えちゃった今日のごごであった。


- インド旅行記:なんとなくグジャラート 目次 -
プロローグ
第1話 冬のデリーはなんだか胡散臭い
第2話 埃と排ガスとノイズの町
 →「アマダバードの名所」
第3話 何処にでもいるやり手ばばあ
第4話 彼女が水着に着替えたら?
 →「ディーヴの日常」
第5話 インドは広いな大きいな

第6話 ジミ~な年越し
 →「わりと充実?ジュナーガルの1日」
第7話 ローカル列車でごとごとたび
 →「聖なる山シャトルンジャヤのしょぼい写真」
第8話 ローカルバスでごとごとたび
 →「色気よりも食い気という言葉は私のためにある」
第9話 切符の買い方指南(裏技)
エピローグ

タグ:インド|ウナ|グジャラーティ|グジャラート

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