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  [概要: パキスタンは道路事情がインドに比べて良いのですが・・・。]

 第5話 早い、安い、綺麗・・・でも不快?(ラホール-ラワルピンディ)


ラワルピンディのバザール こちらも町は独立記念日(8/14)ムード。国旗やステッカーなどが各店にずらーーっと並ぶ。

しかし、I Love Pakistanはともかく、インドを泣かすとは・・・。
ああパキスタンジンダバード。
目次を参照願います

 「パキスタンはね、インドよりも断然便利ですよ。」

 そう言うのは、ニューデリー在住の知人の知人M氏である。

「去年、ラダック行けなかったでしょ?あそこの道はホント崖崩れが多いんです。でも、パキスタンは日本の援助で道路綺麗に整備しちゃってますからね。快適ですよ。フンザなんてバスであっという間です」

 インドとパキスタンの国境を陸路で越えた場合、まず最初にパキスタン第二の町ラホールに向かうことになる。

 しかし、このラホールの町。旅人の間ではことさら悪評高い。
 ラホール駅前のとある安宿は、別名「泥棒宿」と言われ、鍵をかけようがナニをしようが、宿の従業員がグルになって、金目のモノを盗みとると言う。
 また、扉の鍵を厳重にかけて安心したのもつかの間、寝ている隙に天井から進入した男に襲われたという、日本人美青年の噂があるのもラホールである (パキスタンは同性愛者が多いのだ)

「昔はYMCAがあったんですよ。あそこは唯一安心できたのに潰れちゃいましたからね。ラホールは通過したほうがいいです、絶対。」

「夕方だろうと大丈夫です。道路が整ってるから早い。デリーからラワルピンディまで1日で行けますよ」

 日没後に見知らぬ町をうろつくのは、気が引ける。かといって、泥棒に遭うのはもっとイヤ。
 ここは一つM氏の言葉に従い、一気にラワルピンディまで勝負に出るほかあるまい。ラホールも結構見たい場所はあるんだけどな~。

 国境を抜けると、目の前に1台のバスが止まっていた。

「ねえ、これラホール行く?」
「行くよ、行くよ。乗ってな、すぐ出るから。」

 後部ドアのステップを1歩上がり中を見やる。んん?このバスなんで車体のど真ん中に壁があるんだろう?
 気を取り直して今度は前の入り口から覗いてみる。内部構造は何処にでもある普通のバスなのだが、やっぱり真ん中に壁がある。そして、ドアもついてるけどなんで?

「ほら、乗ってなよ。ラホールだろ?」

 一人ぽつんと座席に座り、窓の外を眺めていた。この辺に住んでるとおぼしき人々が一人、二人と、バスに近づいてくる。
「あ、前から乗るんだ。この人は後ろか。あれ?連れっぽいけど別々・・・あ、そうか。男女別なんだ~」

 初めてイスラム国家を意識した瞬間だった。こりゃラクだ。ローカルバスが最初から男女別なのか。

 バス前方半分エリアの唯一の男性はドライバー。そして、たまに女性の乗客があると、真ん中のドアをばんっと開けて車掌がバス代を徴収に来る。用が済んだらさっさと後部に戻る。

 おお、あのドアは車掌専用の出入り口か。

 ラホールまでの道すがら、たびたびバスは止まったけれど、乗ってくるのはほとんど男で、後ろはぎゅうぎゅう前はがら空き。女性はほぼ全員座っていられた(っていうか、席がない人も床に座ってた)

 小一時間ほどでラホールへたどり着くと、探すまでもなく、あっという間にラワルピンディ行きのバスに乗せられた。

 パキスタンは道路が整っているのもホントだが、民間のバス会社がとても多く、各社の客引きがすっとんで来て、バスまで案内してくれる。
 フライングコーチと呼ばれるマイクロバスくらいの大きさのミニバスから、エアコンのがんがん効いた大型バスまで、様々な種類のバスがあり、快適さはお金を出せば出すほどアップ。スピードを求めるならダントツでミニバスである。乗客が少ない分、フットワークが軽く、猛スピードでかっとんで行くからだ。

 大型バスにも、G1ロードと呼ばれるバイパスの様な道路をかっ飛ばすものから、高速道路をぶっ飛ぶものまで様々(結局飛ばすことには変わりない)
 一般的に、バスターミナルから乗降できるのはG1ロードを走るバスで、高速道路を走るような高級なバスはその会社専用のバス乗り場が別にある場合が多い(そして、乗り場は遠い)。

 さて、私がこのとき乗ったのは、普通の民間長距離バスで、ラワルピンディまで120ルピー。
 女で一人なので、一番前の一人座席が指定席になった。この国で隣の座席に男が来ることは皆無に等しい。痴漢の心配がないのはとても楽だ。

 さて、さらにラワルピンディ(面倒なので、今後ピンディに略)についた後の話。ピンディからギルギットまでのバスはミニバスだった。

 先に「ミニバスはフットワークがいいから早い!」と書いたが、この区間だけはお勧めしない。
 この区間は、パキスタンの首都イスラマバードから北上し、中国に抜けていく、有名なカラコルムハイウェイを通るルートである。

 道路が整っていることが利点になるのは、日本のように安全運転を心がける運転手がいる場合と、道路が平らでまっすぐな場合に限られる。

 インダス川沿いに繰り返される細かいカーブの連続に、体は右に左に激しく揺さぶられ、まともに座ってることがこれだけ大変なのも初めてだ。
 おまけに夜行で窓際で、一晩中頭をがんがん窓に打ち続けることになり、朝になるころには大きなこぶができていた・・・(マジです、マジ)
 さらに、隣はイスラマバードの大学生のにいちゃんで、一晩中話を止めない上に、休憩時間に寝てたら、わざわざ起こす有様。

 ミニバスの場合、補助席までフルに客が乗るので、一人座席でもあまり意味はなかったりする。
洗車中のバス
NewKhanRoadRunners社の長距離バス。休憩中は洗車し、サービスに手を抜かない。
デラックスバス
Daewoo社のデラックスバス。
上記と同区間で値段は3倍。
ミニバス1ミニバス2
フライングコーチ。荷物は上へ

 「だったら昼間に乗ればいいんじゃないの?」とお思いでしょう?

 夏のパキスタンは山間部でも気温が40度近くまで上がり、熱風吹き荒れてます。 窓を開ければ吹き付ける風はドライヤーさながら。かといって、締めれば高温サウナ。 さあて、あなたはどっちを選びます?!

 ちなみにピンディ-ギルギット間をバスで登る場合、お勧めはSILK ROUTE TRANSPORT社のバスであるが(当時500ルピー)、一番前に座ったという日本人女性曰く、車に酔ったパキスタン人が吐きにくるので、寝てられないそうである。

 そう。エアコンが効いているバスは窓が開かないのであった。

「まさか、無視する訳にもいかないしさ。入れ替わり立ち替わり来る人の背中さすってたよ」

 大きくて、飛ばせるエンジン積んでるエアコンバスの場合、後ろに乗るのが鉄則か?


 ところで、冒頭に出てきたM氏であるが、背が高く、がっしりしていて、とても男らしい方である。

「パキスタンってインドに比べると痴漢が少なそうじゃないですか。逆に男性の方が痴漢に遭うとかなんとか。あれって、ホントですかね」

「向こうの人って、日本人と違ってフレンドリーだし、いちいちオーバーアクションなんですよ。別れ際に「気をつけてな」って言いながらハグしたりね。ただ、そういうケのある人は抱きついた後、いつまで経っても離れませんね」

 これを愛情表現ととるべきか身の危険ととるべきか、いささか判断に迷うとろだが、ここで、男に襲われる美少年の噂に真実みを帯びたのは確か。
 ガイドブックにも「必要以上に体をすり寄せる人がいたら気をつけよう」なんて書いてありますが、 男性の方が痴漢遭遇率が高いのだろうか?
 いや、でも、痴漢に遭ったという男性にはとりあえず会わなかったので、誤解はしないで下さいね、念のため。

 ただ、M氏も若い頃はよくそういう人に出会ったという。・・・ということは若い日本人が人気?!



- インド・パキスタン旅行記:木っ端みじんの旅 目次 -
プロローグ
第1話 相変わらずワルはワル。(その1)
第2話 相変わらずワルはワル。(その2)(
 →【写真】デリーでいろいろ食らう。
第3話 やっぱり、アムリトサルが好き。
 → 【写真】アムリトサルから国境の町アタリへ
第4話 たかが国境。されど国境。
第5話 早い、安い、綺麗・・・でも不快?
第6話 町を歩けば、男にあたる。
 →【写真】何もないけど好きな町。ピンディ
第7話 日本人嫁獲得大作戦?
第8話 旅、此即ち学習
 →【写真】ギルギットを歩く。
第9話 風の谷のナウシカごっこ
第10話 フンザドライブのすすめ
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その1
第11話 旅の恥は掻き捨てないように
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その2


第12話 気まぐれスープと謎のシェフ。
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その3
第13話 山を下りるもまた一苦労
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その4
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その5
第14話 ラホーール、おそるべしっ(その1)
第15話 ラホーール、おそるべしっ(その2)
第16話 こんな列車の国境越え
第17話 車掌も密かにワル。
第18話 我ラクダのしりに物思う
第19話 損して得取れって・・・真実よ
第20話 やっぱ、アグラの街はうざい!
第21話 素敵なリキシャワラとの出会い
第22話 カルチャーショック受けちゃった?
第23話 アーユルヴェーダで禿を治そう!
第24話 そして、木っ端みじんの旅
エピローグ

タグ:インド|バス|パキスタン|道路事情

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