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インドとフンザ編 > 第7話 日本人嫁獲得大作戦?(ラワルピンディ-ギルギット) [概要: パキスタンでは日本人は、男も女も大人気!] 第7話 日本人嫁獲得大作戦?(ラワルピンディ-ギルギット)
午後4時過ぎ。ギルギット行きのフライングコーチ(ミニバス)に乗り、ラワルピンディ(ピンディ)を出発した。 このバスはいわゆる夜行バスだ。夕方4時過ぎにピンディを出発し、途中、食事やトイレのために、3時間に1回くらいの割合で休憩を挟みつつ、翌朝10時にギルギットに到着する予定。この路線をバスで走ると、どんなに急いでも半日以上かかってしまう。 出発から2時間ほどで本格的な山道に突入。ある意味、ここからの道がカラコルムハイウェイの醍醐味である。 左は絶壁、右は崖。遙か彼方の谷底に、ちょろり流れるインダス川。 そして、やっぱり山道。右に左に急カーブが続くのにも関わらず、当然の様にカーブミラーはない。 このバス。助手席から、補助席から、とにかく座席は満席だった。そして、それぞれの客が相当量の荷物を持ち込んでいる。 ・・・明らかに過積載。そのくらいなら、旅ではよくあることだけれども、加えて道路が整っているのである。 山道で、町が遙か彼方で、しかも道路がきれいに整っているとなると、当然、飛ばす。 人が飛び出してくることもなければ、動物だってあまりいなそう。加えて、対向車はヘッドライトの明かりでなんとなく判別できる。 そして、繰り返してすまないが、過積載である。 Rが短いカーブでスピードを出すということは、バスにそれだけの遠心力が加わる。しかも、重ければ重いほど外側に飛び出す力は増すのである。 「右に左に揺さぶられ、ガラスに頭を打ち続けてこぶができた」 な~んて、言っているうちはまだまだ甘い(言ったのは私だが)。 これはまだ余裕がある証拠である。 だって、私は左、つまり壁側の席だったのだもの。 不幸にも右の席を選んでしまった人は、見たくなくても窓の外の崖っぷちがちらつく。 加えて左カーブになるたびに、バスから飛び出しそうな勢いで、車側や窓ガラスに体が押しつけられる。 そして、夜行バスだ。途中でとっぷりと日が暮れてしまい、谷底が全く見えなくなる。 何があるのか、どこまで落ちてゆくのか、明るいうちに谷底の深さを見てしまっているだけに、妄想はとどまることを知らずどんどん膨らんでゆき、精神的に非常によろしくない。 「谷底まで落下する間に、木っ端みじんどころか、陰も形も残らないかも・・・」 とかなんとか考えてしまったのは、 「ほんとに高いところから落ちた場合、その加速によるエネルギーと空気抵抗との摩擦で、肉体が少しずつちぎれていって、最終的に体の水分だけがびちゃっと地上に落ちるんだよ。」 とかなんとか嬉しそうに語っていた高校の物理教師のせいである。 ※ さすがにそこまで高くはないです(笑) 「崖っぷちの枝に引っかかって助かっちゃったり?」とかなんとか、ほほえましい想像をできない自分が悲しい。 遊園地の絶叫マシンなんて、ちゃんちゃらおかしい。あんなもの、安全が約束されているのだから。
「ホテルは高いだろ。よかったらうちに泊まりなよ。うちは大家族だし、安心だよ」 ・・・これはどこかで聞いた。さっきの青年との会話で出たそっくりそのままの台詞である。 そして、前の方で、我々をちらちらと探る視線が一つ。先ほど食事を一緒した青年が落ち着かない様子でこちらの様子を伺っている。 イスラム教のことをよく知らない人でも、イスラム教徒の男性が、奥さんを4人まで持てるという俗っぽいことだけは知ってたりする。 「奥さん、4人も侍らして、ハーレムじゃん!」なんて、安易に考えることなかれ。 これは、どの奥方も平等に愛することができるならという条件付きである。 また、実際には、経済的な事情などもあり、庶民は2人奥さんがいれば多い方のようだ。 「僕には母が二人いるけど、二人の母は喧嘩ばっかりしてる。だから、自分の妻は一人で充分だ。二人以上いたら余計な争いが生まれるよ。それに、妻の数だけ子供が増えるわけだから、お金だって大変だ」 イスラム教徒だろうと、仏教徒だろうと、やっぱり、おんなじ人間ってこと。やっぱり、焼き餅やくのだね。 そういえば、この教えも、昔、男が戦争かなんかで少なくなった時に(砂漠への行商とかだっけ?)、女子供を救済する意味でもあったとどこかで聞いた気がする(ごめん、うろ覚えなので、この件、誰かアドバイス下さい (^-^;; )。 しかし、それでも、複数奥さんを持つ男性はいるわけで、そうなると必然的に女性の数が足りなくなる。 30代、40代の男の奥さんが10代半ばだったりすることも普通にあったりする。 つまり、さっきのは私を妻に娶ろうというアプローチの一環だったらしい。 その後も、山の上に上がればあがれるほど、真面目にくどかれ、真面目に口説かれれば口説かれるほど、旅行前に気がついた、とある仮説に信憑性が増していった。 それは、とある旅行代理店の特別企画についてである。 『フンザでのホームステイを斡旋します。条件:○月~×月までで1ヶ月以上、滞在費は無料ですが、ちょっとした労働のお手伝い(農作物の取り入れなど)をして頂くこともあります。ただし、女性のみ。なぜなら、宗教的な理由で、男性が入ることを好まない家庭があるからです。』 イスラム教の家庭ならば、奥さんや女の子供のいる家庭内に赤の他人が入るのを好まないのはわかる。 しかし、労働の担い手を必要とするのならば、絶対に男の方が役に立つ。 そんなの、わざわざ外国人の手を借りるまでもなく、近所に有り余っている男どもをかり出せばすむことだし、第一、男が入るのを好まない家庭があるという程度なら、気にしない家庭もあるような気がしてならない。山の上の方は、普通に町を出歩く女性も、一緒に農作業をする女性も多いからだ。 そもそも、同じ屋根の下に住まないまでも、別に小屋をあてがうくらいのことはできるはずだ。企画名を適当に変えれば男性だって受け入れることも可能だろう。(まあ、一緒に働くのもまずいと言われればそれまでだが) この代理店のHPを一通りぐるっと見てみると、この企画は日本語ページにのみ掲載されており、英語ページには全く書かれていない。これは、絶対に絶対に、日本人嫁探し企画であると私は解釈した。 彼らが日本語のホームページを作ることは、英語のホームページを作ることよりも、難しいに決まっている! というのが、パキスタンをほんの少しだけ旅した日本人OLの仮設だが、真相は如何に?!
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