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  [概要: ちょっと贅沢ですが、車をチャーターするのも楽しいですよ。]

 第10話 フンザドライブのすすめ(ギルギット-パスー)


リンゴ泥棒 ←リンゴもぎとり。
涼しい気候なので、リンゴを栽培しています(勝手に生えてるカンジ)

小振りで筋張っていて、甘みがたりなくて、品種改良を繰り返した日本のジューシーなリンゴを食べ慣れている我々は、今ひとつ物足りない。でも、無農薬かも。

 ひたすら寝ていたからか、いくらか体調が回復していた。
 このままここに留まる理由はない。二階にあてがわれた薄暗い部屋からでると、この宿でケイコさんの片腕として働いているゲストハウスの従業員にばったり出くわした。

「大丈夫?」
「うん。まあまあ。でも、ローカルバスでの移動はやめとく。ジープ頼んで良い?」
「よし、俺に任せとけ!」

 ものすごい勢いで走り去る彼を待つ間、私は旅の友を物色した。

 私がここに到着したときは、たまたま長期旅行の若者が多かった。 時間の余裕のある彼らは、フンザの田舎町や山の中を気まぐれに何度も何度も行き来していた。
 疲れると、まともな食事が恋しくなると、パッパが吸いたくなると、下に降りてきてしばらく充電する。 そして、この町でのだらけた生活に飽きると、また気まぐれに移動を始める。

 そんな彼らを誘ったところで乗ってくるワケがない。私だって時間的制約のない旅行をしたいのは山々だが、社会人である以上それは出来ない相談である。

 そう言うわけで旅先で旅の友を見つけられるかどうかは、タイミングと運が必要だ。 彼らのような長期旅行者を除くと、他には今朝ギルギットについたばかりでへとへとの中年ご夫婦や(これからトレッキングにでると言っていた)、フンジャラーブ峠を下ってきた、つまり逆ルートをたどって来た人ばかり。

「うーん、1人でジープは心配なんだよな~。どうせ運転手は男だし。。。」

 病み上がりで体力がないので、いざというときナニを蹴り上げて逃げる勢いは残ってないだろう(思えば、最初の印度旅行の時は元気いっぱいだった)


「ケイコさん。私も今日チェックアウトします」

 背後から聞き覚えのある声がした。

 この声の主はS美さんといい、長期旅行中の30代の女性。私が一昨日、夕食を共にしていた相手だ。
 東南アジアから始まり、インド、パキスタンと渡ってきた彼女だが、年が近く、飾らない風体からか、初めて出会ったとは思えないほどうち解けていて、お互いの身の上話までしてしまっていた。

 そっか、彼女、今日移動するってゆってたっけ。

「S美さん!カリマバード行くんでしょ?1晩私に付き合ってからにしない?ジープ代はおごる!」
「ええ~?確かにどうせヒマだけど。いいのかなぁ?・・・もしかして私凄くラッキー?」

 ケイコさんにも援護、援護をお願いし、旅の友を見事確保したのは午前11時過ぎ。こうして私は、やっとギルギットを発った。

 ジープはギルギットの町からカラコルムハイウェイに向かって、1日の遅れを取り戻すように颯爽と走り出した・・・と言いたいところだが、遅い!この車、ものすごく遅い!!
 東南アジア、南アジアでは、アクセル踏みっぱなしの暴走族の様な運転手が多いので、こういう車に当たること自体まれである。

 まあ、よくよく考えてみると、仕事を早く終わらせて家に帰るためだったり、早くお客を目的地に連れて行って次の客を物色するためだったり、暴走してる周囲の流れに仕方なく乗っていたり、がんがん飛ばす運転手にはそれなりの理由があるわけだ。そして、こんな山奥のチャーター車に飛ばす理由は見あたらない。
 小金稼ぎに連れて行くお土産屋の一件もないし、客を相乗りさせる必要もない。そもそも、ヘタに急いで運転を誤ったら、遙か彼方の崖の下に転落してしまうのがオチだ。
ドライブ出発地
ギルギットを出る頃
 中でも、この運転手は特別バカ丁寧な運転をするので、乗っている間は少々苛つきを憶えだが、実は、私が病み上がりだと言うことや女だということを考慮して、特別にギルギット一まじめな運転手を選んでくれたらしい。

 「なんで、日本人はツーリストコテージに集まるの?他に良い宿いっぱいあるのに・・・」

 町でこう聞かれたとき、「日本人は英語が下手だから日本語が通じる宿を選ぶんだよ」なんてテキトーに答えてたけど、たったそれだけの理由じゃお客は来ないよね。
 きめ細かい心遣いがとても印象に残った旅でした。(まる)←って終わってどうする。

 ところで、車をチャーターすることについて、一つ。

「自分の好きなように旅ができるとゆったって、どうせ運転手がわがままだし、ろくに見るとこもないし、移動が楽なだけでたいして意味がないのではないか?」

 思えば、今まで、いろんな運転手に振り回され続けてきたので、ちっとも期待を持っていなかった。
 電車やバスが整っている都市間を移動し、都市を観光する場合、車をチャーターするのは金の無駄と言っても言い過ぎではないが、こういう山奥に来ると、車は実に便利だということを改めて認識した。

ドライバーとS美さん
旅の友。S美さんとアブドゥル
ラカポシ
これはラカポシかな?
 パキスタンの山奥は、正直、素人目にもとても美しい場所である。
 山間から滝の様に流れる清流、風の谷とまで言わせた緑多き渓谷、美しい氷河、ディランやラカポシに代表される大山脈。
 窓のないジープで風を感じながらのドライブは心地よいし、好きなときに好きなように車を降りて、遊んだり、空気に浸ったり、ゆったりとした時間を過ごせるのが車の良いところ。口数の少ない運転手なら、なおいい。 アブドゥルは最高なので、お勧めします。(ABDUL QAYYUM KHANさんといいます)

 ここいらの唯一の公共交通機関であるミニバスは窓際に座れるとは限らない上に、ぎゅうぎゅう詰めで、ラカポシのビューポイントで10秒くらい止まってくれるのがせいぜいのところだ。なんていうか、景色を見るどころじゃない。

 そして、出発時間もまちまちで、満席になるまで出発しない上に、標高が上がって行くに連れてバスの数も減っていくので、ここいらのように町以外のところが見所の場合、あまりお勧めではありません。

 人々の生活用だから当たり前といっちゃ当たり前ですけど、途中下車してヒッチハイクするという手がなきにしもあらず(ただし、車の数は少ないのは覚悟せねばなりませぬが)。
 多少でもお金に余裕があれば、是非、車をチャーターくださいませ。2日間でRs.5,000(約1万円)でございます。

 ほんでは、道々の様子はこちらからジャンプと言うことで。(なんか、内容のない日記になってしまった。ごめんなさい)


- インド・パキスタン旅行記:木っ端みじんの旅 目次 -
プロローグ
第1話 相変わらずワルはワル。(その1)
第2話 相変わらずワルはワル。(その2)(
 →【写真】デリーでいろいろ食らう。
第3話 やっぱり、アムリトサルが好き。
 → 【写真】アムリトサルから国境の町アタリへ
第4話 たかが国境。されど国境。
第5話 早い、安い、綺麗・・・でも不快?
第6話 町を歩けば、男にあたる。
 →【写真】何もないけど好きな町。ピンディ
第7話 日本人嫁獲得大作戦?
第8話 旅、此即ち学習
 →【写真】ギルギットを歩く。
第9話 風の谷のナウシカごっこ
第10話 フンザドライブのすすめ
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その1
第11話 旅の恥は掻き捨てないように
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その2


第12話 気まぐれスープと謎のシェフ。
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その3
第13話 山を下りるもまた一苦労
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その4
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その5
第14話 ラホーール、おそるべしっ(その1)
第15話 ラホーール、おそるべしっ(その2)
第16話 こんな列車の国境越え
第17話 車掌も密かにワル。
第18話 我ラクダのしりに物思う
第19話 損して得取れって・・・真実よ
第20話 やっぱ、アグラの街はうざい!
第21話 素敵なリキシャワラとの出会い
第22話 カルチャーショック受けちゃった?
第23話 アーユルヴェーダで禿を治そう!
第24話 そして、木っ端みじんの旅
エピローグ

タグ:カリマバード|ギルギット|ジープチャーター|パキスタン|フンザ

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