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インドとフンザ編 > 第12話 気まぐれスープと謎のシェフ。(パスー-カリマバード-ギルギット) [概要: なんでこんなに凄腕のシェフが山の中に・・・] 第12話 気まぐれスープと謎のシェフ。(パスー-カリマバード-ギルギット)
カラコルムハイウェイの先、フンジャラーブ峠にお名残惜しさを感じながらも、我々はパスーを後にした。 途中、河原で車を止めて遊んだり、路上で待ち伏せている少年から桃を買ったり、車のタイヤがパンクしたりしたことを覗けば行きと全く同じ行程。選択の余地がないのだからしょうがないのだが。 一つ意外だったのは、道々出会う女性陣がにこっと笑顔を見せ、我々に手を振ってくれたりすること。 パキスタンも山の上の方に来ると、喜んで写真の被写体になることを承諾してくれると聞いた※が、ホントかもしれないな。 あくまでも、本人の承諾を撮ってから撮らせて貰ってね。 ※ この地方はイスラムの宗派はイスマイール派。イスマイール派は他の宗派より戒律が緩いこと、女性が社会生活に関わっていることが多いこと等で、他の地方と雰囲気が違う(らしい)。私が女だと言うことも往々に関係するとは思いますが。
空気は綺麗だし、眺望はいいし、つい長居してしまう旅行者の気持ちはわからなくはない。 ・・・でも、私はここに一泊もせず帰るのだ。ちぇ。 「S美さん、ごはん食べよ。」 我々は迷うことなく、誰もが絶賛するコシオサンゲストハウスのレストランへ向かった。 KOSHIOSANGUESTHOUSEは、ニューガニシュロードの二つ目の大きなカーブの下の安宿が固まっている一角に。それよりももっと上は中級クラスのホテルがぽつぽつとある。 コンクリートが打ちっ放しの2階建ての建家のルーフにレストランがあった。食事をしながら山の眺望を楽しめる作り。 そのレストランに入った瞬間、「あれ?」と思った。 評判がすごく良かったので、質素な作りに拍子抜けした。そこらに並んでいる薄汚れたプラスチックのいすとテーブルに、これまた薄汚れた人間がだら~と腰かけているように見えた。なんて言うか、レストランをレストランとして小綺麗に作ってないので、フィルターがかって見える。 「何になさいますか?」 髭もじゃで、くるくるの癖毛が伸び気味でちょっとぼさぼさ。すり切れたジーンズに色あせたシャツを着た男性がオーダーを取りに来た。 「えっと、サンドイッチと~、このマウンテンティーってなに?あ、そう、じゃあそれと、本日のスープは?」 「スープの材料は決まっていません。そのときにある物で適当にシェフが作ります」 「シェフって?」 「私」 「え?あ、ああそう。じゃあ、スープもお願いします。」 男性はにっこりと笑顔でメニューを受け取ると、背後にある厨房に入っていった。 日本で、学校や古い小さなビルの屋上に出たことがあるでしょ。あのエレベーター室とか階段の出口を思い浮かべて欲しい。漫画なんかだと不良その上にのぼって授業をさぼっていたりする。あそこ。あんな感じなんです、厨房が。こじんまりとしていて、薄暗い。そして、あのシェフ。料理人には見えん。いろんなことが、私の勝手な想像の範疇からずれていた。
他の宿の宿泊客までここに食べに来るという理由がわかった。こりゃ、相当の腕のコックがいないと勝ち目がないよ。 家庭料理ではなく、完全にレストランの味。それもすごく美味いレストランの味。しかも、リーズナブル。 絶対にこの宿も長期旅行者の長居に一役かってる。ギルギットで日本の味、カリマバードでフンザの味と繰り返しているのだ、彼らは。・・・宿のベッドに虫が出るとはいえ(笑) このシェフ、大きな町か、もしかしたら、外国で修行してたりして。日本でも有名レストランで修行したシェフが軽井沢でレストラン開いちゃったりしてるじゃない?そんな印象を受けた。 とにかく、こんなところでスゴイ料理人に巡り会い、病み上がりでこれ以上食べれない自分の体を呪った。 うー、もっと違う料理も食べたかったよ~。 フンザのKOSHIOSAN GUEST HOUSE。要チェックだ。 道々の写真はここからジャンプしてください!
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