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インドとフンザ編 > 第13話 山を下りるもまた一苦労(ギルギット) [概要: 天気が良くても飛行機が飛ばないし、いろいろ大変だ。] 第13話 山を下りるもまた一苦労(ギルギット)
カリマバードでS美さんと別れ、私はアブドゥルと二人、ギルギットに戻った。 ドライバーと二人きりになる状況は、あまり好きではない。気を使うし、なんかあったら困るし・・・。 と、たったの数時間のことでもとにかく身構えていた。 しかし、彼の場合、心配ご無用。まじめを絵に描いたタイプというのはこういうのを言う。 お互いに言葉はからっきしという意思の疎通が困難な状況で、必死にこちらの要望をくみ取っていく。頼んでもいないのに自分のミスの埋め合わせはしっかりやる。自分のことはそっちのけで、こちらの心配ばかりする。 言葉がだめなぶん、態度で示す彼の姿はががーーんと響きましたフンザで車がご入り用な方彼はおすすめです。是非どうぞ。 さて、さて。ギルギットに戻ると、いの一番に飛行機のチケットの確認をした。 「あなたがパスーに行ってる間、ずーーっと飛行機が飛ばなくてね。席が全然空かなかったんだ。」 「でも、彼女は病気なんだからなんとかしてくれ!と言いまくってやっと明日の3便目がとれたの。」 ギルギットからのフライトは、天候の影響でとにかく毎日の様にキャンセルが相次ぐ。中でも朝一番の便が最も飛ぶ可能性が高く、以下、2便目、3便目と時間の経過とともに確率は低くなる。 当然のことながら、まず前日に飛べなかった客が優先的に振りかえチケットを宛われる。 私がここに居なかった2日間、飛行機は全く飛ばなかったため、その2日分の客が待機していることになるが、中にはキャンセルして陸路で山を下りた人や旅程を大幅に変更した人もいるわけで、そのわずかな空席をみんなが取り合っているということだ。 しかし、「女性」とか「病気」とかいう弱者を強調したキーワードが優先順位を変えてくれるあたり、パキスタンだからかなとちょっと思った。 とりあえず、明日飛行機が飛ぶことを祈る。もうこれ以上待つ余裕はないのだ・・・。 翌朝、空を見上げると、薄く広がる雲の隙間から晴れ間が見えた。 「お、これは飛ぶのでは?」と期待に胸躍らせ、荷物を作って飛行場へ歩く。 結果・・・、飛ばなかった。 「1、2便は飛んだのに、3便はだめだったね。こっちは晴れてたけど、イスラマバードの天候が崩れたって」 「でも、今日1,2便が飛んだんだから、明日は朝一の便にしてもらえるよ」 こっちじゃなくイスラマバードが天候不良ってのも詐欺のような出来事だ。「明日の1便になったとしても、飛ぶ保証はないしなー」なーんて、後ろ向きなことを考えたら、案の定、翌朝のギルギットの空にはどんよりとした雲がかかった。 あきらめの悪い私は、荷物を作って飛行場に向かったのだが、待てど暮らせど飛行機が飛ぶ気配はない。 それどころか、待合室にすら入れてもらえない。 結局、この日は全便欠航となり、別の手段で山を下りなければならなくなった。 不幸中の幸いといいますか飛行場の周りで一人旅の日本人を数名、しかもみーんなサラリーマンを捕まえた。 それぞれ皆、行きはバスで来ており、辛さをよーーく体感済み。そして、お金を持っている(←ここがポイント)。時間はないのにその割に、つい山に登ってしまう浅はかさは私と同じだ~。 だって、限らせた休みだもん。「せっかく来たんだから」って冒険しちゃうよねぇ。 みなさん車のチャーターも二つ返事でOK。大あわてで車を手配に走った。
車の手配を無事に終えたところで、今度は飛行機のチケット代を払い戻しに行かねばならない。 早速我々は、ギルギットの町の中心部にあるパキスタン航空のオフィスに向かった。 おおよその想像通り、事務所はコンピュータ化されておらず、何から何まで人海戦術で、数人の事務員が忙しそうに客の対応をしている。我々が乗るはずだった今日の3便の予約の取り直しで人がごった返していた。 「あのう。このチケットキャンセルしたいんだけど」 「キャンセル?明日の便に振り替えてやるよ」 「だめ。明日じゃ遅すぎる。とにかくキャンセルして!」 「・・・今はまだできない。キャンセルはもうちょっと待て」 待てと言われたから待ってみた。客が一通り捌けて、おっちゃん暇そうに座っりはじめたのに、それでも何を言われるでもなく、とにかく待っていた。待たされる理由って何? 十数分経っても親父の動きは全くなく、たまに来る客とごにょごにょ話をするくらい。あとはじーーっと座っている。 まさか飛行機が臨時で飛ぶ・・・ってことはないよねぇ。イスラマバードから戻ってこないんだから。 「あのぅ、今日、ラワルピンディに行かないといけないんで、できれば早くしてほしいんですけど」 「君らはラワルピンディに行くのか?だったら、ラワルピンディで払い戻ししなさい。あっちでもできるから。」 「じゃあ、そうする?」なんて言いだすやつがいたが、あわてて制止。ピンディで払い戻しをしてくれる保証はないし、オフィスを探す時間も無駄でしょ。絶対に、今ここで払い戻しを終えるべきだ。 親父の提案を却下させてもらい、さらに待つこと30分。いい加減、なんで待たされるのか説明を求めようかと思ったその瞬間、一人の男性がオフィスに入ってきた。 彼はある宿の従業員で、客のために予約したチケット代金の支払いに来たのである。 その男が帰ったところで、親父がようやくのそっと動き出した。 「ほら、来なさい」 まず、私が呼ばれチケット代を渡される。続いてまた誰かが支払にやってくると、別の人の分を返金。 ・・・要はオフィスに返金する金がなかったってワケですね。これこそ、まさに自転車操業ってやつか。 「お客に返すチケット代くらい銀行にないんかい?」とつっこみたくなるけど、・・・やっぱ・・・ないんでしょうかね・・・。 大金おいておくのも危ないし、飛行機が飛んだり飛ばなかったりするこの町では、このやり方が一番しっくりくるのかもしれません。 話は前後しますが、アブドゥルと共にカラコルムハイウェイを下った景色を2ページにまとめましたので、下記のリンクからどうぞ。 こちら(1ページ目)とこちら(2ページ目)からジャンプしてね。。
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