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  [概要: デリー、ジャイプール、アグラ、バラナシ ゴールデンルート その5]

 第22話 カルチャーショック受けちゃった?(2001.08.17 バラナシ)

ダシャシュワメードガート バラナシ一有名なガート。
沐浴をするや乞食、ボートマンよりも、何よりマッサージ屋(パラソルの店のほとんど)の多さに驚いた。

変わりましたね。ここも。


 ガンジス川で朝日を拝むと、我々は再びホテルに戻った。ホテルで休息を取り、再びバラナシの旧市街へ向かう予定である。

 以前、私がバラナシに来た時は川を見ただけで終わった。
 「誰でも行くインド旅行の定番だし、ガートで沐浴見るくらいでいいかな~、身内だし。」と安易に考えていたのだが、思いがけず、デリーで会ったMさんがバラナシの案内を買って出てくれた。

「ちょうど、バラナシに用事があるんです。バラナシは庭みたいなモノですから、案内しますよ」

 遠慮なく、彼の心遣いに甘えさせて貰うことにした。

 Mさんは、たまたま我々と全く同じ日にバラナシ入りすることになっていた。ただし、我々がアグラから来るのに対し、彼はカルカッタから来るという。
 お互いの宿泊予定の連絡先を交換し、万一のために彼のバラナシ在住の友人宅の連絡先を書き留めた。

 そして、昨日。我々の宿泊しているホテルに彼からの連絡は来なかった。こちらから連絡するも、彼の宿泊先にも彼の友人宅にもまだ現れていないと言う。

「まー、インド旅行だし。予定通りに進むとは考えられないしな~」

 少し残念ではあったが、特に気にすることもなかった。

親子で物売りをするボート
 ところが、日の出見物から戻ってくつろいでいると、Mさんから電話が入った。

「連絡が遅れてすみません。カルカッタからの列車が遅れちゃって、今着いたんです」

 彼は、昨日のうちに着くはずのカルカッタ発の寝台列車に乗っていた。
 しかし、その列車が投石による列車妨害で遅れに遅れ、着いたのは翌日の朝! 車内に半日以上も長く閉じこめられたという。

 疲れてるだろうに「大丈夫です。ゴードゥーリヤーの交差点って知ってます?そこで○時に会いましょう」と、快く 案内役を引き受けてくださった。

 再びオートリクシャに乗り、バラナシ旧市街に向かう。
 オートリクシャは、ゴートゥーリヤの交差点の手前で止まると、「ゴートゥーリヤはあっちだから」と指さした。 この先は、オートリクシャは進入禁止だからだ。

 交差点までたどり着くと、まだ来ぬM氏を3人で静かに待った。
「どこまで行くの?ガンガーはあっちだよ」とお節介を焼くインド人を軽くあしらうと、通りの向こうから、見覚えのある背の高い日本人が歩いてきた。暑がりなのか、玉のような汗が額を伝って流れ落ちているのがわかる。
 時々きょろきょろと周りを見渡しているところを見ると、まだ、私には気が付いてないな。

「Mさん。ここです。わざわざありがとうございます」

 こうして、デリー以来、ほぼ3週間ぶりにMさんと再会した。

 Mさんの後について、バラナシの路地を歩いた。

 今日まで大きな都市の観光地ばかりを歩いていた父と母は、そのごみごみとした様子に面食らっていた。

 バラナシの旧市街は、インド各地から巡礼に来るヒンドゥ教徒やそれを見物に来る外国人がひしめき合っていて、落ち着いて歩いていられない。

 迷路のように入り組んだ細い路地を進み行くのを阻むのは、巡礼者向け、観光客向けの露天やそれに群がる人。 そして、そんな狭い路地に、どかっと座り込んで通せんぼをする聖なる牛だ。

 しかも、足下を見れば、緑色を帯びたべたーーっとした牛の糞がそこここに張り付いている(水分が多いので、地面に張り付いている)
 田舎で牛を飼っていた母など、こんなの見慣れているだろうに。それでも今の生活に慣れきっている二人の目には、「汚いな~」という風にしか写らなかったのかもしれない。

 明らかに昨日歩いたバラナシの街とは違う。ここは市の中心になるダシャシュワメードガートのすぐ近くであり、 この路地は、インド全国からヒンドゥ教徒が目指してくるヴィシュワナート寺院に向かっているからだ。
 今朝、訪れたガートは、中心から全く外れているからかとても閑散としており、だからリキシャワラは、ボートに乗ることを執拗に勧めた。彼は、「ボートに乗って、川から、中心地を見物しに行きなよ」って言いたかったんだよ。

 前を歩くMさんの後を黙々とついて行く父と母。あまりのショックに言葉を発することができないようだ。

ガンガーからバラナシの町を望む

 ヴィシュワナート寺院に着くと、入り口に立っていた門番は我々を不審な目で睨んだ。

「ここは、ヒンドゥ教徒以外は立ち入り禁止だ」

 「やっぱ、そうだよな~」と思いつつちらちらと様子を伺っていると、驚いたことに、Mさんは門番と交渉を始めた。

「私はヒンドゥ教徒です。ほら、腕につけているこれがヒンドゥ教徒の印。だから中に入らせてくれ」とかなんとか言ってるくさい。ヒンドゥ語の会話だから、こっちには全くわからないのだが。

 流ちょうにヒンディー語を操る彼に門番は混乱している。しかし、Mさん。あなたの後ろに立っている私は、真っ赤なシャルワールカミーズを着てはいるが、どう考えても日本人顔(まあ、東インドにはこういう顔のインド人いると言いますが)
 そして、私の背後にいるうちの身内は、どう考えても、おのぼりさんの日本人観光客なのですが・・・。

「だめだ、だめだ!」と拒否する門番。それに食い下がるMさん。 最終的に門番もめんどくさくなったのか、「俺には判断できない。向こうでヒンドゥ教徒の証明書を貰ってくればいれてやる」とかなんとか言い出したらしい。でも、そんなもの、我々に出して貰えるわけないもんね・・・。

 結局、我々は、この寺院に入ることを許されなかった。

「前は簡単にいれてくれたんですよ。結構インド人なんていい加減ですから・・・」

 いいんですよ。気持ちだけでとても有り難いです。

 「せめて、写真くらいはいいだろ?」と門番に問えば、無言で「NO PHOTO!」とかかれた看板を指す。いえ、本当にいいんですからっ。

 その後、門から少し離れたところで、すかさず「ここから写真撮っちゃえばいいですよ」というMさん。
 しかし、門番の方もそんなことはお見通しで、こちらの動向をじーーっと探っていた。「写真とるな~!」と遠くから叫ぶ。なんつーか、毎日観光客と攻防を繰り広げているんでしょうな~。

 いちいち、恐縮していたMさんですが、本当~にいいんですよ。我々は町をぐるっと歩けただけでも満足なんですから。 その後、渡し船から町を望むこともできたし。
 いろいろとありがとうございました。とこの場でお礼申し上げます。そして、例の件は承知致しました。はい。

(つづく)


- インド・パキスタン旅行記:木っ端みじんの旅 目次 -
プロローグ
第1話 相変わらずワルはワル。(その1)
第2話 相変わらずワルはワル。(その2)(
 →【写真】デリーでいろいろ食らう。
第3話 やっぱり、アムリトサルが好き。
 → 【写真】アムリトサルから国境の町アタリへ
第4話 たかが国境。されど国境。
第5話 早い、安い、綺麗・・・でも不快?
第6話 町を歩けば、男にあたる。
 →【写真】何もないけど好きな町。ピンディ
第7話 日本人嫁獲得大作戦?
第8話 旅、此即ち学習
 →【写真】ギルギットを歩く。
第9話 風の谷のナウシカごっこ
第10話 フンザドライブのすすめ
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その1
第11話 旅の恥は掻き捨てないように
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その2


第12話 気まぐれスープと謎のシェフ。
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その3
第13話 山を下りるもまた一苦労
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その4
 →【写真】カラコルムハイウェイをゆく その5
第14話 ラホーール、おそるべしっ(その1)
第15話 ラホーール、おそるべしっ(その2)
第16話 こんな列車の国境越え
第17話 車掌も密かにワル。
第18話 我ラクダのしりに物思う
第19話 損して得取れって・・・真実よ
第20話 やっぱ、アグラの街はうざい!
第21話 素敵なリキシャワラとの出会い
第22話 カルチャーショック受けちゃった?
第23話 アーユルヴェーダで禿を治そう!
第24話 そして、木っ端みじんの旅
エピローグ

タグ:インド旅行|インド観光|バラナシ|散策

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