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  [概要:空港着いたらあれよあれよと世話を焼いて頂いた。えっ、いいんですか?]

 第12話 離島で無料でヒッチあり? (タベウニ島)


小一時間ほどのフライトを楽しみ、私はタベウニ島へ降り立った。

超小型機の離着陸しかないタベウニの空港は、空港と言うより単なる空き地。さっきまで上空から眺めていた森を思うと、ここだけが妙に不自然で、空港を作るために無理矢理に木を伐採したのが見て取れる。
その空き地の隅の掘っ立て小屋で待つこと5分。貨物室から次々と降ろされた10個あまりの荷物が、小さな荷車に積み上げられていく。待ちきれなかった私は荷車に近づくと、自分のザックを引き出した。さて、ここから町までって結構遠いんだよなぁ。
ふと見ると乗り合いタクシーとおぼしきワゴン車が一台いた。これを逃せば恐らくもう足は無くなるはずだ。運転手に声をかけようと近づいた瞬間、飛行機で乗り合わせたフィジアンのおばさんがぬっと私の目の前に現れた。

「あなた、迎えがいないんでしょ。こっちにいらっしゃい」

その台詞に「もしかして車に便乗させてもらえるのかな?」と期待を寄せつつついて行くと、おばちゃんは小屋の裏にいた見知らぬ男性に交渉を始めた。「この子、乗せてってやってよ。」って、ええ?私が乗るのはあなたの車じゃないの?

「気にしないで。私の兄さんなのよ。ホテルまで連れて行って貰いなさい」

そう言い残すと、おばちゃんは乗り合いタクシーに乗り込んでしまった。えっと、兄さんに送ってもらうのはあなたじゃなくて私で、あなたはタクシーで帰宅するんかいな?いいのかなぁ?
二人の顔を交互に伺いとまどう私をよそに二人は当たり前のように帰り支度を始める。既にこれは決定事項。兄さんもにっこり笑って「さあ乗って!」
ま、いっか。深く考えるのはよそう。お礼を弾めばいいことだ。

「ワイエボの宿。KoolかKabaあたりに行きたいです」
「よしわかった。」

兄さんは運転席に乗り込むと車のエンジンをぶるるんとかけた。そして、彼は車の外にいた1人の男性に声をかけると、その男性が助手席に滑り込む。だから、私は後部座席でゆうゆうとしていた。だって、この車ランクルなんですよ~。

空港から町中までの道は思いの外綺麗に舗装されており、車はすいすいと進んでいった。
前の二人は空港を出てからずっとしゃべり通し。そのうち助手席の男性が、大事に抱えていた封筒を開封し、中から出てきた手紙を読んだ。

「うわーーーー。」 ←叫んだ。

?!何事?

「○×▽☆××・・・」

ヒゲの親父も大興奮。肩をたたき合ったり(運転中だっ)、大笑いしたり、私1人が蚊帳の外だ。

「あのー、何かあったんですか?」

我慢できずに話に割って入ると、親父は英語になおってこう答えた。

「いやね、僕ら学校の先生なの。この前、フィジーで全国模試があったんだよ。これ成績表なの。うちの学校がフィジーで一番!!すごいだろ~」

助手席の男は、持っていた書類をばさばさと左右ふりながら、誇らしげに言う。

「今日はスバから結果が届く日だったから、空港まで取りに来たって訳」

つまり、飛行機の積み荷の中にあった郵便物をひっくり返して、その成績表を取ってきたってこと?
待ちきれない気持ちはわからなくはないが、そういうことが簡単に出来ちゃうのがすごい。つまりそれだけ郵便物が少ないってことと、基本的に島中の人たちが信頼し合っているってことだもん。人の郵便物隠したり盗んだりする人いないんだよね。
ランニングマン
【さわやかだったランニングマン】

ショッピングセンター
【正月は勿論休みの商店街】

ガーデンアイランド
【タベウニのとある一角】

「ワイエボに着いたよ。KoolAccomodationでいいかい? おーーーい、お客さんだぞーーーー」

約30分弱、車はワイエボに着いた。宿はワイエボに着いたら探そうと思ったのに、気がついたら親父は車を停めて宿に向かって走り出しており、他の宿を見て回る雰囲気ではなくなってしまった。しかもこんなにいい車に乗せてもらって、タダと言うわけにはいかないなぁ。
「公共の交通機関の少ない離島では、有料でヒッチハイクするのが常識」っていう記事をどこかで目にしていたし、そもそもタクシー乗ったら一体いくら取られるんだ。皆目検討つきません。

「あの、フィジーで人の車に乗るのは初めてなんですよ。だからタクシーと同じ料金でいいですか?」

 かっこつけて言ってみると、それ以上にキザっっちいことをやられてしまった。

「いや、お金はいらないよ。これは僕から君へのクリスマスプレゼントだ!」

親父は、そう言うと、さわやかに去っていった。
その時はテストの結果がよっっぽど嬉しくて機嫌が良かったんだなと思っただけだったが、その後もタベウニ島を散歩するたび、何度も「乗っていきなよ、乗っていきなよ」と声をかけられた。勿論、誰もがお金を受け取ってくれない。

交通機関の発達していない離島では、ヒッチハイクという手段が至って普通に行われている。そして、その辺は持ちつ持たれつというところで、乗せて貰った方は「乗り合いタクシー価格」を払うのが普通だ。
ただで乗せて貰うのが申し訳ないと思う気持ちがある反面、特別扱いして貰えることが素直に嬉しい。

改めてあ、り、が、と、う。ございます。ほんとうに助かりました。

【フィジー(島巡り編)旅行記 目次】

フィジー旅行記 世界で一番早い新年を! プロローグ
第1話 旅は徒然。連れ連れ。(バンコク)
第2話 まずはクロンヤイでぷはーです。(クロンヤイ:カンボジア)
第3話 ココンの国境ひ~らいた。(1)(ハートレーク、ココン:カンボジア、タイ)
第4話 ココンの国境ひ~らいた。(2)(ココン:カンボジア)
【写真集1】ココンで1日遊びました (ココン:カンボジア)
第5話 ええっ、罰金?! (ココン - バンコク:カンボジア)
第6話 夜中の一人歩きにご用心。(バンコク:タイ)
第7話 タイが微笑みなら、フィジーは笑顔の国。(ナンディ - ラキラキ)
第8話 けんかをやめて~っだ。(ラキラキ - ナナヌイラ島)
第9話 強風吹き荒れるリゾートしま。(ナナヌイラ島)
【写真集2】ナナヌイラ島で3日遊びました。(ナナヌイラ島)
第10話 スバのドミトリーでのいろいろ。(スバ)
【写真集3】スバ近郊散歩。(スバ)
第11話 ガーデンアイランド タベウニへ。(スバ - タベウニ島)
□第12話 離島で無料でヒッチあり?(タベウニ島)
第13話 世界で一番早い新年を。(タベウニ島)
第14話 フィジアンのお正月を写そう。(タベウニ島)
第15話 タベウニ島を歩いてみました。(タベウニ島)
【写真集4】ガーデンアイランド・タベウニ島(タベウニ島)
第16話 なぜ君がここにいる・・・。(ナンディ)
エピローグ (ソウル、日本)

■旅の履歴:フィジー個人旅行 2002年12月~2003年1月

タグ:ガーデンアイランド|タベウニ島|ヒッチハイク?|フィジー旅行記|送迎

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