第1話 国境の町アランヤプラテート(バンコク-アランヤプラテート)
バンコクのフォアランポーン中央駅に着いたのはちょうどお昼を回った頃だった。この駅を出発し、アランヤプラテートまで行く列車は1日にたったの2本しかない。
早朝6時過ぎに乗るのは私にはとうてい無理なことだから、午後1番の列車を目指してカオサンから歩いてきた(歩くなよ(^^;;)。
何とか午後発の電車には間に合ったみたい。
付け加えておくと、電車に間に合わなくても、ちゃんとバスという手段があるから安心よ。
30分おきにあると言うから電車より断然便利です。
バスで行きたい人はモーチット(北バスターミナル)に行ってみてくださいませ。
アランヤプラテートへ向かう列車は6両編成くらいの短い列車。全て、3等車両で、イスは木製。本数が少ないだけに混雑を予想したが乗ってみたらがらんがらんで、そのせいか物売りも少ない。
その数少ない物売りも、今まで乗った長距離列車と違って、果物、野菜などの日常食料品を売る人が多く、旅行者が購入するようなモノ(弁当とかジュースとか)は売られてなかった。
そもそも、アランヤプラテート自体は観光客が行く町ではない。
ガイドブックにも国境越えの手段としてちらっと載っているだけだから、バックパッカー以外はあまり訪れない。当然と言えば当然なんだけどね。
私の乗った車両なんて、私以外外人は1人もいなかった。もしかして、みなさんあんまり陸路で行かないのかなぁ?
そんなこんなでがたごと列車に揺られること5時間半あまり。
終点のアランヤプラテートの駅に到着した。
なんてこった。まだ、7時前なのにもう真っ暗じゃないか!
暖かい国だから日が暮れるのも遅いって思ってたんだよ、私は。
「こりゃあ、トゥクトゥクに乗らんと危険かなぁ・・・」
駅前にたむろっているモトサイとトゥクトゥクに値段を聞いて回ると誰に聞いてもトゥクトゥクは「40バーツ」モトサイは「20バーツ」とのこと。ううむ。どおしようなぁ・・・
ふと自分の後方に目をやると、人の良さそうな日本人らしき若い男性発見!
実は列車を降りてから彼以外にも日本人をちらっと見たんだけど、声をかける間もなく颯爽とトゥクトゥクで走り去ってしまったのだ。
ここで、逃したらもうチャンスはなーーい!とすかさず「トゥクトゥクシェアしません?」と声をかけた。
「ああ、別にいいですけど・・・」と言いつつ彼が目を向けた先には、彼よりも少し年輩の男性がいた。どうやら、彼にはすでに連れがいたようだ。
その連れの人は、アジア旅行長そうな雰囲気を醸し出していた。やせ細ってヒゲを蓄えた年配のオジサンで、バンコクの宿で友達になって旅を始めたようなそんな感じ。
「げ、しまった。先をこされたかぁ・・・」
と、ちょっとがっかりしたが、タイのトゥクトゥクは3人でも十分乗れるということで、ご一緒させて戴いた。
よくよく話を聞いてみると、二人は日本から一緒に来たそうで、二人の旅行を邪魔する形になって大変恐縮してしまった。でも、見知らぬ町の夜を1人ぶらぶら歩くという迂闊なことはしたくないので、ご勘弁を・・・。
トゥクトゥクに連れてこられた宿は、ガイドブック「旅行人ノートメコンの国」にも掲載されているARAN GARDEN HOTEL(亜蘭花園大酒店)。
この町の定番の宿泊施設とみえ、同じ電車で来たと思われる西洋人のカップルもチェックインの手続きをしていた。彼らも当然カンボジアを目指すのだろう。
※ タイ、カンボジア、ベトナム、ミャンマー、ラオス等、タイ周辺の国を陸路で旅するのにメコンの国第4版は大変便利です。他社のガイドブックだと荷物が多くなりますし。
チェックインが済むと、「一緒にめしでも食いましょう」とここまで一緒に来てくれた
お二人が晩御飯に誘ってくれた。
実はものすごいうれしい。1人で食べるご飯ってつまんないんだもん。
その若い男性はAさんといい、同じ旅行人読者のリーマンパッカー。
そして、連れの男性はSさん。Aさんとは仕事関係の仲間ということだ。
そして、この日の夕食だけでなく、明日の国境越えもご一緒して戴けることになった。
やはり、ここに来る旅行者はカンボジア、アンコールワットを目指すのである。
無事に国境でビザを発給してもらえることを祈りつつ、久しぶりのシンハビールに酔いしれた。