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  [概要:一人じゃ寂しい私と一人になりたいおじさま。旅の仕方もいろいろだ。]

 第10話 旅先の日本人の人間模様。(シェムリアップ-プノンペン)

水上集落
 さて、さて、ボート乗り場に着き、船員にチケットを見せると目の前に停泊していた船に乗船を促された。
 次にTさんがチケットを見せると「お前はこの船じゃない。まだ座ってろ」って、マジ?!プノンペンまでひとりなの~?せっかく道連れができたと思ったのに~。

 私はバイクタクシーのドライバーから、Tさんはタケオでボートのチケットを購入していた。どうもチケットの購入場所によって斡旋する船の種類が違っていたらしい。そんなに便数があるとも思えないのだが、ついてない・・・。
 思えば、私のチケットはカラー写真付きの綺麗なものだったのに対し、T氏のはざらざらの藁半紙みたいな紙に一色刷で印刷されたものだった。
 船会社が違うってことか。


 私の乗った船はちょっとしたクルーザーを小さくしたようなタイプ(ページ上部の写真の赤いラインの入った船)で意外とデラックス。イスもしっかりしているし、救命胴衣も備え付けてあった。

 あとで聞いたところによると、Tさんの乗った船は、木製やプラスチックのイスを並べた簡易的な座席がなれべられているだけ。バッタンバンへ向かったAさん達の船はそれこそちーさい小舟だったそうだ。

 私とTさんは、同じ時間に同じプノンペン行き。しかもチケットは同じ値段だったにも関わらず、チケットの質から船の質までだいぶ差があり、デラックス船だった私はラッキーだと思ったが、T氏の船の方がプノンペンに着いたのは早かった。

 見た目だけデラックスにしたポンコツだったのかもなぁ。・・・あなどれん。

 さて、一人乗り込んだ船の最後尾に座席を確保した私は、プノンペンへの出向を待っていた。 乗客はまだたくさんいるようで、次々と小舟がボートに近づいては乗客を降ろして行く。

 船の座席は30席以上はあるにもかかわらず、屋根に登る乗客が圧倒的に多かった。屋根の上から聞こえる日本語から察するに20代前半くらいの若者が5,6人。後はあまりにガタイがよすぎて、アジア人サイズの座席には納まりきれない欧米人。船内におとなしく座っているのは、日本人は私を含め2、3人ほどで、後はすべて現地の人だった。

 東南アジアを旅する人を見ていると、「日本人かな?」と思って声をかけようかと思えば中華系のタイ人だったりするので、最初の一歩がなかなか踏み出せない。Aさんを捕まえた時みたいにせっぱ詰まった状況なら話は別で、そうじゃないと確信を持つまで躊躇してしまう。

 ふと前方に、暇を持て余して日本語のガイドブックを開いている中年男性が目に付いた。
 私の座った席からはちょっと離れているのと、なんだか「話しかけるなよオーラ」を発していたので、まあ、そのまま声をかけずにいた。

 その男性はしばらくの間、寝ていたり景色を眺めたりして暇をつぶしていたが、退屈なのかガイドブックや地図を取り出し、前に座っていた女の子(多分カンボジア人)に話しかけ始めた。
 ・・・そこまではいいんだけど、そのうち女の子の肩や頭をマッサージしてあげたりしてなんか妙になれなれしい。っていうか雰囲気エロイ。

「うーん。一歩間違うとセクハラだなぁ」なんて思ってたが、女の子も楽しげで、イヤがってる様には見えない。
水上レストランのトイレ
水上家屋のトイレ


 そして、ボートが降りる直前までべたべたしていた二人。(←つまり、あたしも暇だからずっと見ていた)
 その男性は、ボートから降りなりバイクタクシーを捕まえ、女の子と二人で颯爽と消えていった。

 おお、やるなおじさん!ナンパだったのか。

 その日の夕方、プノンペンの有名安宿キャピトルホテルのレストランでそのおっさんが一人でお茶をしているのを見かけた。
 なんか楽しみ方が鮮やかで妙に関心してしまった。上手にひとり旅を楽しんでいるカンジだ。



 話は戻るのだが、スピードボートの前に乗った小舟では、実は私とTさんの他に、2人の日本人のおじさんが並んで座っていた。
 年の頃は40代前半くらい。二人とも小学生くらいの子供がいそうなカンジである。

 でも、この二人、年の頃も同じで、同じ日本人で、しかも隣の席に座っているのに、お互いに話しかけようというそぶりも見せず、むっつりと押し黙っていた。
 背後から漂ってくる空気は妙に重かったのである。

 プノンペンに着いた私はTさんを探しだし、二人で一緒にバンコクエアウェイズに行った。
 無事にリコンファームの手続きを済ませ、帰ろうとしたとき、その小舟で出会ったおじさんがオフィスに入ってきた。

 「リコンファームしてくれる?」というそのおじさんの腕には小柄で目のぱっちりしてめちゃくちゃ綺麗なカンボジアの女の子が絡みついている。

 ・・・おっさん、もしかして女の子買ったね?

 正直言って、そのおじさんは見るからにもてなそうなタイプ。
 色白で、小太りで、ちょっと頭が薄い上に、ねっとりと絡みつきそうなスケベそうなまなざし。学生時代には「きもちわるーい」と女の子に避けられていたりしたかもしれない。
 きっとここに来ると女の子にちやほやされるんだろうなぁ。っていうか、ただ単に日本の女が嫌いなだけかもしれないが。

 しかし、話には聞いていたけど、目の当たりにするとすげーびっくりした。

「なんか、この辺に有名な娼婦街があるらしいよ」

 んー、でもわざわざ遺跡なんかを見に行っておいて、その帰りに女を買うっていうのもよくわからない。


 帰国後、この話を母にすると、 「むしろ他人とは関わりたくない旅だったんでしょ」 とのたもうた。

 おお、なるほど。理由はともあれ、ひとりになりたい旅ってのもあるんですね。 ちなみに私はどちらかというと、旅先で気の合う人を捜すタイプだ。

 思い返せば、もうひとりのおじさんは日本でいいお父さんしてますってタイプの人で、見るからに二人の気はあわなそうだ。


 今回の旅はGWだったのもあり、5,6人の中年男性を見かけた。でも、みーんなずっと一人で行動していた。
 (日程も経路もほとんど同じなので同じ人にあちこちで会う)

 私も中年になると若い子に声かけづらくなるんだろうなぁ(←まだ若いつもりでいる)。    

- カンボジア旅行記:タイから陸路で国境超えて 目次 -
プロローグ
第1話 国境の町アランヤプラテート
第2話 国境越えてからが大変なのだ!その1
第3話 国境越えてからが大変なのだ!その2
第4話 念願のアンコールワット
 →【写真】いきなりメインディッシュ!?アンコールワット
第5話 魅惑の微笑みアンコールトム
 →【写真】アンコール・トム
第6話 クロマー星人あらわる
 → 【写真】バンテアイ・スレイ
 → 【写真】タ・プロム、タ・ケウ他

第7話 だんだん飽きてきた三日目(笑)
 →【写真】スラ・スラン、ニャック・ポアン等々
第8話 シェムリアップでヘアカット。$3。
 →【写真】シェムリアップののほほんな1日
第9話 スピードボートでプノンペンへ
第10話 旅先の日本人の人間模様。
第11話 プノンペン市内巡り(バイタク編)
第12話 プノンペン市内巡り(自由行動編)
第13話 バイク故障!やっぱり新しいのが素晴らしい
第14話 謎の女、あきみ
エピローグ

タグ:カンボジア|シェムリアップ|スピードボート|ナンパ|娼婦

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