ポッパから戻ると、今度はバガン観光に繰り出した。
繰り出すと言っても、この時間から一生懸命バガンを回るつもりは毛頭ない。ぶらぶらっと遺跡に入って、日の入りでも見ようかなと、その程度のことである。
町で声をかけてきた馬車のにいちゃんを雇うと、「サンセットが見たい!」とすかさず要望。
おにいさんも「わかった。乗って、乗って。」と、一言返すとムチを一振り。それを合図にひょこひょこと彼の馬は動き出した。
馬車を走らせながら、気を利かせてバガンの観光案内を始める馬車マン(ごめん、名前忘れちゃったんだ)。
「あれは、○○。あっちは××。バガンで一番大きなお寺だよ。」
ミャンマーに来ている割に、ミャンマーのことをほとんど知らない私にとっては有り難い。なんつーか、私の旅は遺跡を巡ることよりも、旅そのものが目的なので、事前に知識は入れてこないことが多いんですよね(その代わり、重要なものを見過ごすことも多々あり)。
だから、その後こう聞かれて困った。「ところで、サンセットは何処で見る?」と。
「ええと、どこかいいところ知ってるってゆってたでしょ。そこ連れてってよ」
そう答えると彼は満面の笑みでこう答えた。
「観光客がたくさん来るところと、全然人がこないところ、どっちがいい?」
「勿論、人がこないところ~」
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やったー、馬車を雇った甲斐があった。人が来るところっていうのは、いわゆるガイドブックで紹介する一般的なところで、そういうところは自分の力でいけちゃうもん。
まだ、夕暮れには早い。遺跡のど真ん中にある茶店に行き(こんだけ時間があろうと遺跡観光に行かないところが私)、しばし地元の男に紛れてお茶をすする。ミャンマーじゃ茶店は男の方が多い。まあ、日本も平日の昼間は外回り途中の営業マン多いけど。
そんなこんなで馬車マンと彼の愛馬と共に夕暮れを待ち、彼の案内でとある道はずれの小さな無名遺跡へ向かった。
バガンの遺跡群はもともとだだっぴろい広場の中にぽつぽつと小さな寺院が乱立しているのだが、この寺院はその中でも本当に道はずれで、轍も残っていないような場所に建てられた二階建ての小さなもので、地元民の案内がなければ近寄ることもない場所にある。
だからこの場所でサンセットを見ようと考えるのは、私の様に馬車に案内されてきた外国人ばかり。
中には、前日この場所に来て、「また自分で出直して来た」なんて方もいましたが、それでも全部で10人にも満たなかった。
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【お世話になった馬車の青年】
【気球で眺めるサービスもある】
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「む。もしかして、あの向こうに見えるメジャー遺跡に行くべきだった?」
寺院に登る前、一瞬そんな考えがよぎった。しかし、暗くて狭くて細い階段を懐中電灯の弱い明かりを頼りに登り切ったその後、目の前に広がるパノラマにボーゼン。
うわー、なにこれ!なんで、外国人がバガンに来たがるのかわかったかも!アンコールワット、ボルブドゥールと並んで「世界三大仏教遺跡」なんて言う人がいますが、うーん、ボルブドゥールなんてたいしたことない気がしてしまいますね。
下にいるとわかりませんが、とにかくこの遺跡はひたすら広い!そして、そのだだっぴろい大地にぽつぽつと点在する小さなタケノコ状の寺の異様な程の愛らしさ。スケールが違う。よくよく近くで見ると人工的に建築し直したいわゆる「新築の遺跡もどき」もいっぱいあるんですが、そんな遠くからじゃわからんもん。許す!
アンコールワットの遺跡群も全体的にみれば広いし、ひとつひとつの遺跡はバガンとは比べ物にならないくらいに精巧で美しかった。でも、各寺院の周りの森が視界を阻んで全体を見渡すことはできなかったし、観光客が増えたことによりアスファルトの道路が整えられていて、情緒に欠けるところがあるんですよね。私にとっては。
でも、バガンはひたすら見渡す限りの赤いタケノコ!舗装道路なんて町の周辺にしかなくて、二階建ての住宅の屋上くらいのこの高さの遺跡からでも、充分見渡せるのがいいんです。
それから一時間もすると、赤土色のタケノコは灰色から黒い陰に変わって行き、そしてその陰の向こうに真っ赤な夕日が沈んでいった。夕日だけがぎんぎんぎらぎらで、コントラストが美しかったですね。
多くの観光客はシュエサンドー・パコダからサンセットを眺めると思いますが、こちらは、シュエサンドー・パコダやアーナンダの向こうに夕日が沈むところが見られます。
(シュエサンドーからだと、オールドバガンの街の向こうに沈むイメージなのかな?)
ぜーーったいにお勧めですよ。
それでは、2004年最後の日暮れに纏わる写真をここからご覧ください。
【2004年最後のサンセット】
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