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  [概要: ビルマ族、シャン族、インド系等々他民族国家ビルマを実感。]

 第15話 インド人みっくすビルマ人のこと(バガン)

 バガンの寺院巡り(ハイライト)を終え、午後2時過ぎにホテルに戻った。これから夕方発の夜行バスに乗り、ヤンゴンに向かうことになっている。

 フロントで預けていた荷物を受け取ると、バスが来るのをひたすら待っていた。バガンの長距離バスは、ホテルへの送迎付きなんだな、これがまた。

 ところで、この夜行バスのチケットを巡って、すったもんだがあった。

 バガンに到着した12/30。私は今晩出発のヤンゴン行きのバスチケットの取得をホテルのボーイに頼んだ。彼は「まかせといて!」と調子よく引き受けた割に、あっさりと手配を忘れてしまった。
「ごめんなさい。今すぐ。今すぐやるから」と一言いうと、奥に入り口ひげを蓄えたインド人顔の偉そうなおっさんを呼んで来た。バス会社への口利きをできるのはボーイではなくもっと偉い人のようである。

 そのヒゲは、すぐにバス会社に電話をしたが、時既に遅し。満席・・・。だったら自分で買いに行ったのに~!

 と、ここまでは旅につきもののよくある話。

 ミスするのは誰にでもある。そして、ミャンマーの様な現金が全ての社会では、お金を持って先に買いに来た人から順番に席を売るのが当たり前だし、裏から手を回すとか、外国人用に特別席が準備されているとか、観光シーズンだからバスが増えているとか、そういうことはあんまし望めないと思うんですね。そもそも現地の人の交通手段な訳ですから。人に頼んだ私がうかつだっただけのこと。

 どうにかしなきゃなぁと考えこんでいると、ヒゲはいとも簡単そうにこう言った。

「大丈夫。明日朝一番に他の会社に電話する。それでもだめだったら、一番でバスターミナルまで走っていって4件のバス会社全てに掛け合って席を取ってくる。絶対に大丈夫だ。ノープロブレム」

 ご承知の様に、こういう場合のインド人のノープロブレムが、言葉通りになることはまれである。

「絶対大丈夫。君が明日、朝食を食べているときにチケットをお届けするよ」

 ミャンマー人のボーイは、「ごめんなさい!」と真っ先に誤ったのに対し、インド人顔のおっさんは、根拠もなく「大丈夫」と言い張った。そして、「ハイシーズンだからバスも列車も飛行機も一杯なんだ」とか、屁理屈を捲したてる。こっちはハイシーズンにミャンマーを訪れていることは百も承知で、だから私は到着直後にチケット手配をしたんですが・・・。私はバスターミナルの場所を聞いただけなのに「オレが席を取ってやる」って言いきったのはだれだっけ?

 そして、翌日。私の顔を見るなり、彼が言い放ったのはこの台詞。

「エアコンバスのエクストラシートだったら取れた」

って、ふざけんなー。夜行で補助席なんて座ってられるか!

 さすがに私もこれには頭に来て、延々と口論がつづいた。思いつく限りの適当ないいわけを繰り返すおっさん。一緒に手配した別の人だって、二日後の席がようやく出てきただの、日にちをずらす気はないのかだの、今はトップシーズンだからだの、それはどうでもいいことなんですよ。あなたが嘘をついたり、言い逃れをすることに頭に来ているんだから。言い訳がましく、絶対に自分の否を認めないところがインド人そっくりである。素直に謝れ~!!!

 ラチが開かないので、折れたふりして補助席を押さえ、自らバス会社を回ったところ、ノンエアコン車に空席が2席もあった。
 ・・・嘘発覚。ヤツは恐らく最初のバス会社に「補助席ならOK」と言われた時点で自分の仕事を終わりにしちゃったんです。一応座れるんだし、後は言い訳すればいいや~ってね。そんなもん、私に通じてたまるか!

 で、ここまでだったら普通にインド人とケンカしたというよくある話。私はこのままこのひげとはチェックアウトまでケンカだなと思っていたわけです。私だって自分が引くとあとでとっても後悔するので、ぜーったい引かないもん。
問題のバスターミナル
【問題のバスターミナル】

ターミナル前の道
【遺跡に続いていく道】

宿泊ホテル
【宿泊したホテル】
 数時間後、フロントでひげに鉢合わせをしたとき、お互いに「きっ」とにらみ合いにでもなるかと思った。

 ところが、ひげの態度は想像とは全く逆で「まだ怒ってるのかなぁ?」とこちらを伺いながら、下手に出て謝罪を始めるのです。(取れなかったのはトップシーズンのせいだと付け加えるのは忘れなかったが)

 これには、ちょっと驚いた。だって、こういうとき、インド人は逆ギレする場合が多いもん。誰かに「日本人客がこなくなったらどうする!」と怒られたのだろうか。なんで~?

 謝られたら悪い気がしないのは人間の性でしょうか。お人好し日本人なのか、言い訳を聞くのがうっと惜しいのか、「もう、いいよ」と聞き流し、ずっと気になっていたことを聞いてみた。

「ところで、あなたの顔立ちはインド人に似てますね」
「私のおじいちゃんはインド人なんです。母はシャン系(タイ族)。だからこういう顔してる」

 クォーターでこの顔立ち?インド人の血って濃い~。と思うと同時に、彼を見ていて、日本人みたいというミャンマー人気質を少し垣間見た気がした。

 以前から旅行記などで、「ミャンマー人は日本人と感覚がよく似ている」という話をよく聞いていた。似ているのは顔形ではなく、物の考え方とか人とのつきあい方などの感覚の方で、だからミャンマー人と国際結婚するカップルは他国の人と結婚する人よりも行き違いが少ないとか。

 このひげは、ミャンマー人とインド人が混ざってるのか(笑)インド系のくどい性格の上に、ミャンマー人の人の良さとか気の弱さが宿っていると。すげー、こんな短期間の旅で面白い人に出会ったなぁ。

 ところでバスチケットのことですが、ヒゲが押さえた補助席は、バス会社に無理を言ってキャンセルし、しっかり別会社の普通席を買い直しました。仕返しにひげの顔はつぶさせて貰ったっと。

 出発当日、違う会社のバスに乗り込む私を見てさぞかし驚いたことでしょう。わはは。

注)ここに出てくるインド人とは、旅行者が一般に出会うような種類の職業についているインド人一般について、私の主観で記載したもので、実際にはそうでない人もたくさんいます。念のため。  



- ミャンマー旅行記:たくさんの不思議に出会った国 目次 -
プロローグ
第1話 教会?時計塔?クリスマス・デイ?!
第2話 調子が狂うくらいまったり、にっこり [photo]
  → [写真とコメント]ヤンゴンほっつき歩き
第3話 ミャンマーの列車は・・・厳しいです。
第4話 世界最長の木製橋を見に行った。 [photo]
  → [写真とコメント]アマラプラほっつき歩き
第5話 山岳列車もなかなかオツです。
  → [写真とコメント]ラーショーまでの列車の旅
第6話 中国の色濃い東北の町で
  → [写真とコメント]雲南近くのシャンの町[photo]
第7話 路線バスは、貨物バス。
第8話 夕暮れのシーポーを必死で回ったのだ
  → [写真とコメント]シャンパレス。[photo]
第9話 きゃーーー。ごめんなさいっ。
第10話 うーむ。バスも辛い。
第11話 うわっ。この人、イタイっ。
  → [写真とコメント]マウントポッパの写真館
第12話 最後の夕暮れはタケノコと共に
  → [写真とコメント]バガンの素敵な夕暮れ
第13話 何の変哲もない年越しパーティーの話
第14話 がんばれ!小坊主!!
  → [写真とコメント]バガンのタケノコ群
第15話 インド人みっくすビルマ人のこと
第16話 ヤンゴンでぐるぐるぐる・・・
第17話 はぁ?TSUNAMIってなんのこと?
エピローグ
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タグ:インド人|インド系|ビルマ系|ミャンマー|ミャンマー人

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