朝5時前、バスはラノーンのバスターミナルに止まった。
冷静に言ってますけど、5時前ですよ、5時前。こんな時間にバス停に着いてどうしろっつーんだ!
とはいえ、これはあくまでも旅行者の都合で、そうもいっていても始まらず。とりあえず、ホテルに向かって歩き出した(時間はたっぷりあるので、モトサイに乗る気にならない)。
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前回の小旅行では、ラノーンで一番大きなホテル、ロイヤルプリンセスラノーンに宿泊した。
ロンリープラネットに言わせると、"設備は最高だが、自慢げなところが鼻につく"そうで(笑)、この設備を最高というロンプラの評価もよくわからないけども、とりあえず、温泉有り、ジムあり、レストラン有りの大きなホテルで、ジムでは、いかにも金持ちっぽいおじさまたちが、太鼓腹を少しでもへこませようと、必死にランニングマシンに格闘している姿が見えたりして、なんとも痛々しかったものだ。
ただ、このホテルの温泉は、汲み湯を沸かしてある上に、建物の外、中庭のプールサイドの隅にある小さなプールにお湯をためてあるので、あれもこれも、日本人には今ひとつしっくりこない。(詳しいレポートはここから。)
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【Jansom Thara Hotelの外観】
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今回選んだのは、設備面では若干劣るが、温泉を源泉から直接引いてある上に、日帰り湯も楽しめると評判の、Jansom Thara Hotel。
日本の観光温泉地、熱海や水上あたりにある温泉ホテルと雰囲気が似ている。なんか、地味目で微妙にダサイ(笑)。
そして、肝心の温泉は、男女別で屋根付きのミニクアハウスが中庭のプール横にある。
このクアハウスだけは、雰囲気が明るくて、昼間は結構気持ちがよいです。(詳しくはまた後で)
早朝にも関わらず、ホテルにつくとはあっさりと開いている部屋に案内された。
唐突だが、海外旅行をするたびにいつも感じるのだが、日本のホテルはなんでチェックインの時間を限定するのだろうか?
不況の今だからこそ、「素泊まり」というプランを提示する宿も出てきてはいるが、大抵が1泊2食つきで、朝7時とか8時に無理矢理朝食を取らされ(しかも、尋常じゃないくらい量が多い)、10時に追い出される。あのシステムはどうにかしてほしい。
特にたいした設備でもないくせに「旅館」と銘打ってある施設に至っては、態度が横柄で腹が立つこともしばしばである。
勿論、あちら様も商売なので、片づけの都合とかあるのはわかる。しかし、ただでさえ毎日時間に追われているのに、なんで休みの日にまで朝の7時とか8時に起きないといけないの?旅行に来て疲れるんですけど。
そして、朝食のことはおいておくとしても、チェックアウトが10時というのなら、それはそれでいいと思う。チェックインの時間が指定されているのもわかる。客がチェックアウトした後にルームメイクする都合があるのだから。
でも、既に部屋の準備はできていて誰も使っていないのに、明らかに従業員も暇そうにフロントをうろうろしているのに、チェックインの時間まで部屋に入れてくれないのはなんででしょうか?そのくらい別にいいではないか。
とにかく、いちいち時間に追われている感じがしっくりこない。私は休日くらいだらだらしたいのだ。
その点、海外の宿は融通が利いていい。旅行=リラックス、コレが肝心。部屋に入るなり、ベッドに倒れ込み、昼過ぎまで爆睡(寝たかっただけか!)。
数時間寝てすっきりしたところで、ボーナムローン(=温泉)に向かった。
勿論、日本から準備してきた温泉グッズを持ってね。
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まず最初に日本からたいせつーに運んできたカテキン卵を温泉卵にする。
真っ先に源泉に向かったが、全て掃除中!全ての風呂からお湯が抜かれ、足湯も温泉卵用の小さいのもみーんなからっぽ。
前回のラノーン旅行で、外湯の割には綺麗だと思っていたが、毎日掃除してたのか~。ただ単にできたばかりの施設なのかと思ってたよ。
そろいの赤いTシャツを着た若者が数人、デッキブラシを片手にごしごしやっている。じゃまするワケにもいかず、仕方なしに卵は源泉にセットした。(右写真→)
卵用のフロ?には、ちゃんと卵を入れたネットを引っかけるための釘が埋め込まれているのだが、これはあくまでも単なる源泉。そんな気の利いたものは付いていない。
仕方がないので、ネットにくくりつけたひもをずーーーっと伸ばし、源泉の土台になっている石に引っかけた。
「ひもが解けてネットごと源泉に落ちたらやだな。」 「岩からするっとひもがはずれるかな?」
おそるおそるではあったが、なんとか卵の準備は整った。あとは、30分、このまま無事に過ぎることを願うばかり。源泉から5メートルほど離れた場所に設置されたベンチに座ろうとその場を離れた。
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【源泉に卵をセット!】
下の写真はクリックすると拡大。
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ベンチに腰掛けようとした時、背後にわやわやという人の話し声がして振り返った。
タイ人の男性2人とその子供らしい女の子が源泉に向かって歩いているのが目に入る。
先頭をきるとーちゃんはお湯に触り、「あちっ」とかなんとか言いながら通り過ぎた。
彼は私の卵ひもには全く気が付かず。ひもをぐにっと踏んだのだが、幸い卵が源泉の外に飛び出すことはなく、ひもから足が離れると同時に卵の重みでひもがぴーんと張り元の状態に戻った。ほーーっ。
続いて連れの男は、卵ひもに足を引っかけそうになったのだけども、気が付いて跨いだので事なきを得ず。
「なんだよ、じゃまだなー」って顔をしてたけど、許しておくれよ。
問題は最後だ。
お父さん、おじさんの歩幅について行けるわけもなく、後から後から必死で追いかける子供がいた。
彼女はキョロキョロと温泉に気を取られており、その間に父はさっさと歩いて行ってしまった。
「お父さんまってよ~。」
彼女が父を追いかけようとしたその瞬間、彼女の太股に私の卵ひもが引っかかった。
そのあまりの勢いの良さに私の卵は宙を舞い、弧を描いて、地面に真っ逆さま。
「あ、あ、あ、あ~~~~~~~~」
瞬間、本当に「神様!!」って言葉があたまをよぎった。しかし、所詮、この世には神も仏もいない。
ぐしゃっという鈍い音とともに卵はこなごな。どろーーっとその場に流れ出した黄身なんて、鮮やかなオレンジ色でいかにも栄養たっぷり。その様は余計にグロテスク。げーーー。
日本からここまでまる二日。機内でも車内でも大事に大事に持って来たカテキン卵はわずか1分でご臨終の時を迎えた。
「お父さんどうしよう。卵割っちゃった!」
困惑した娘は父に訴えた。初めて卵の存在に気が付いた父。そして、その一連の出来事に呆然としている私に気が付くと一言こう言い放った。
「ノー、カーイ」
そして、私のすぐ横にある小さな温泉を指さす。
カイはタイ語で卵のことである。つまり彼は、温泉卵を作るのなら、源泉ではなくそこの卵用の温泉を使えと言っている。
言いたいことはわかる。わかるんだけど、だって、この卵用の温泉お湯が入ってないんだもん!!掃除中なんだもんっ。
この卵は日本から持ってきたんだもんっ。あなたのお嬢さんが全部わっちゃったんだよ~。(TーT)
・・・切ない。
彼女を怒る筋合いもないし、しょうがないんだけども、胸の中からあついものがこみ上げたよ。私は。
その後、しばらくはボーゼンとしたまま立ちつくすしかなかったのでした(笑)
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